ハンコ出社も分厚い参考書も不要になる? 「ひとり総務」の法務業務を変える、リーガルテックの最前線:「紙とハンコ」と結び付き強い法務業務(1/3 ページ)
中小企業では総務担当者がやることも多い「法務業務」。ある調査では、法務業務の専任担当者がいない企業が2割ほどという結果も出ている。「紙とハンコ」との結びつきが強く、テレワーク推進を阻みがちな法務業務だが、最近ではITの力で効率化を目指す「リーガルテック」に関するサービスも出てきつつある。中でも、LegalForce」は契約書のチェックに役立つという。
取引先と交わす契約書のチェックや、コンプライアンス対応など、企業を守るために必要な「法務業務」。本来であれば、法務を担当する部署を設立し、専門性を持った担当者が業務に当たることが望ましい。しかし、必ずしもそうした万全な体制となっていない企業も少なくないのが実際のところだ。
1965年に本格的調査を開始し、5年おきに企業の法務部門の実態調査を行っている、経営法友会と商事法務研究会の「法務部門実態調査」最新版(第11次調査、2015年実施)によると、法務部門がなく、また担当者も設けていない企業は6.9%。担当者はいるが、専任ではなく他の業務と兼任している企業は15.2%と、2割以上の企業が法務に関する専門の担当者を設けていない状況だ。また、資本金5億円未満の企業に絞って見ると、その割合は4割近くまで高まる。
法務部門がない企業では、「ひとり総務」などが法務業務を他のバックオフィス業務と兼務しているケースも少なくないだろう。しかし、より専門性の要求される法務業務は、なかなか片手間にこなせるものではない。ただ、忙しいという理由で契約書のチェックなどをなおざりにしてしまうと、自社の知財が流出してしまったり、契約を解消したいときにできなかったりと、重大な損失にもつながりかねない。
また、法務業務、特に契約関連は「紙とハンコ」との結び付きも強い。新型コロナの影響でテレワークが広がっているが、押印のために、また必要な書類のために、出社せざるを得ないケースも出てきており、今後さらに生産性の高い業務を実現するために、契約業務を中心とした法務業務のIT化は欠かせないだろう。
こうした観点から注目を集めているのが「リーガルテック」だ。
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