ハンコ出社も分厚い参考書も不要になる? 「ひとり総務」の法務業務を変える、リーガルテックの最前線:「紙とハンコ」と結び付き強い法務業務(2/3 ページ)
中小企業では総務担当者がやることも多い「法務業務」。ある調査では、法務業務の専任担当者がいない企業が2割ほどという結果も出ている。「紙とハンコ」との結びつきが強く、テレワーク推進を阻みがちな法務業務だが、最近ではITの力で効率化を目指す「リーガルテック」に関するサービスも出てきつつある。中でも、LegalForce」は契約書のチェックに役立つという。
契約書のチェックをITで効率化
リーガルテックとは、その名の通り、法務業務をITで効率化したり解決したりするためのサービスなどを指す。法律相談に関するサービスなど、弁護士と消費者に関するサービスも多いが、一般企業の法務業務にかかわるサービスも存在する。
例えば、LegalForce社が提供している「LegalForce」は、契約書のドラフト作成やレビュー(チェック)をアシストするサービスだ。弁護士や企業の法務部門で導入が進んでいるが、法務を専門としない兼任担当者などが契約書のレビューを行わないといけないようなケースでも活用できる。
代表的な機能が「契約書の自動レビュー」だ。WordファイルやPDFファイルにも対応しており、契約書のデータファイルをアップロードすると、その契約書に必要な項目にもかかわらず欠落してしまっている条項や、自社にとって不利な条文などがアラートで出される。これまでであれば一言一句契約書をチェックしていたところを、要点を絞って確認できるようになる。これまで法務業務も兼任していた総務担当者からは「これまで読むだけで10分ほどかかっていたところ、大幅に短縮できるようになった」といった声が上がっているという。
LegalForceの角田望代表は「法務に慣れていない担当者が契約書をチェックするときは、時間がなかったり、分からなかったりするゆえに諦めてなおざりにチェックするか、ものすごく時間をかけてチェックするのどちらかになりがち。また、必ずしも時間をかけたからといって、問題がなくなるわけではない」と話す。
また、契約書のレビューは専門性を必要とし、しっかりとした知識を基に業務することが求められることから、参考書を携えて行うことも多いという。しかし参考書はオフィスに置いてあることも多く、テレワークをしている場合にはそのためにわざわざ出社しなければいけないことになる。LegalForceを使うことで、即座にチェックポイントや要点などが分かるため、そうした必要もなくなるという。
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