通販在庫1000万点から選び、店内で試着・採寸 洋服の青山が「ネットとリアル店舗の融合」に本腰:店舗在庫を少なくできる
青山商事が、ECサイトと連動するタッチパネル式のサイネージやタブレット端末の導入を拡大する。地方を中心に10店舗で新たに導入し、合計41店舗で活用する。
「洋服の青山」を展開する青山商事は9月4日、ECサイトと連動するタッチパネル式のサイネージやタブレット端末の導入を拡大すると発表した。来店客はサイネージやタブレット端末を使い、青山商事のECサイトにある約1000万点以上の在庫から好みの商品を選べる。5日以降、地方を中心に10店舗で新たに導入し、合計41店舗で活用する。
来店客は店にある在庫を見本として試着・採寸を行い、着心地などを確認した上で購入する。商品は自宅へ配送でき、手ぶらで帰れる。同社のECサイトは店在庫とも連動しており、導入店では全785店舗の在庫も確認できる。
導入店にとっては、同じ色柄のスーツをサイズ別に用意する必要がなく、限られたスペースで多くの種類を陳列できるメリットがある。都市部にある売り場面積100坪(約330平方メートル)未満の店舗を中心に導入してきたが、新たに地方郊外店(200坪以上の大型店を含む)でもサービスを始める。
新たに導入する店舗は、青森浜田ドリームタウンアリ―店(青森市)、東静岡駅前店(静岡市)、名古屋豊公橋店(名古屋市)、大垣店(岐阜県大垣市)、紙屋町店(広島市)、松江店(島根県松江市)、徳島沖浜店(徳島市)、宗像店(福岡県宗像市)、福岡大橋店、福岡姪浜店(いずれも福岡市)の10店舗。
こうした店舗ではスーツ売り場の一部を縮小し、代わりにオーダースーツコーナー、ビジネスカジュアル商品、レディース商品などを拡充する。また、スタッフの接客を受けながら、来店客にECサイトを利用してもらうことで、ネット通販への抵抗感を払拭する狙いもあるという。
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