コラム
「急遽テレワーク導入」に落とし穴 国内約40社が被害「VPN不正アクセス事件」が他人事とは限らない理由:他山の石(1/3 ページ)
8月下旬に「パルセキュア社のVPN製品の脆弱性を突かれて、認証情報などが盗まれてしまい、ネット上で公開された」という事件がメディアを賑わせた。この一件にはいくつか他山の石にしたいポイントがある。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、リモートワークが広がる中、8月下旬に「VPN(Virtual Private Network)のアカウント情報が盗まれ、ネット上で公開された」という事件がメディアを賑わせました。VPN接続に利用されるパルセキュア社の製品の脆弱(ぜいじゃく)性を突かれてアカウント情報が盗まれたというものです。世界で約900社が被害を受け、中には約40社の日本企業も含まれていました。新聞の一面を飾ったこともあり、「うちの会社は大丈夫か? 同じような攻撃を受けないか?」と不安に感じた読者もいるのではないでしょうか。
もしかすると「このベンダーの製品を使っていないから大丈夫」と思われた方もいるかもしれません。ですが、実はそうとは限りません。この一件にはいくつか他山の石にしたいポイントがあります。
狙われる「閉じられない、止められないサービス」
前置きになりますが、今回話題になった製品「Pulse Connect Secure」以外の機器を利用していても、安心というわけではありません。
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