飲料製品とラーメンを同時配送で20%効率化 日本通運・アサヒ飲料・日清食品が協力:どうやって運ぶ?
日通・アサヒ飲料・日清が9月11日に共同輸送を始める。これまでアサヒ飲料は飲料製品の2段積みができず、輸送の効率化に課題があった。新たな輸送方法にすることで、トラックの使用台数を20%削減できるなど、さまざまな効果を見込んでいる。
日本通運・アサヒ飲料・日清食品は、9月11日に関東〜九州間での共同輸送を始める。重量貨物であることから、これまでトラック内に2段積みできなかったアサヒ飲料の飲料製品と、バラ積み形式で輸送していた日清食品の即席麺商品を同時に輸送することで効率化を目指す。
これまでアサヒ飲料の飲料製品は、重量から2段積みできず、トラック内の上部にデッドスペースが生まれてしまっていた。一方、日清食品の即席麺製品などは重量が軽くバラ積みにしているため、積載できる量に余裕があった。そこで3社での協議を経て、日清食品の製品をバラ積みからパレット積みに変更し、アサヒ飲料の製品の上に積む方式で共同輸送することになった。
これまで、アサヒ飲料は茨城県のアサヒビール茨城工場から佐賀県の配送センターまで、日清食品は茨城県にある関東工場から福岡県の福岡物流センターまで個別に輸送していた。今後はアサヒビール茨城工場で荷物を積載したトラックが日清食品の関東工場へ立ち寄り、東京湾から博多港までへの海上輸送を経て、九州にある両社の物流・配送センターへ輸送する。
日本通運は、これまでの方法と比較してトラックの使用台数を20%削減できる見込みで環境負荷の低減が期待できるとしている。また、低床トレーラーを運用するとともに日清食品の製品をパレット積みに変更することで、ドライバーが行う荷役作業も軽減でき、昨今深刻な「ドライバー不足」への打ち手にもしたい考えだ。
【訂正:2020年9月8日11時41分の初出で、タイトルにおいて「ビールとラーメンを同時配送で20%効率化」としておりましたが、9月8日17時30分、訂正いたしました。加えて、本文内の表現についても訂正を加えました。お詫びして訂正いたします。】
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