イオン、ドライブスルーに商機 ネットで事前注文、買い物時間を短縮:ネットスーパー好調
イオンリテールは、ドライブスルーに対応した店舗を拡大する。ネットスーパーの注文商品を、クルマに乗ったまま店舗で受け取れる仕組みだ。
イオンリテールが、ドライブスルーに対応した店舗を拡大している。「イオン東久留米店」(東京都)に専用レーンを導入するなど、ネットで注文した商品を受け取れるサービス「ドライブピックアップ!」に力を入れる。新型コロナウイルスの感染拡大のため、来店客の買い物時間を短縮する取り組みだ。
イオンリテールは5月、ネットスーパーの注文商品を店舗で受け取れるサービス「ピックアップ!」を開始。店舗のカウンターや専用ロッカーでの受け取りの他、ドライブスルーも導入し、自宅への配達を待たずに受け取れる仕組みを導入した。
9月時点で、カウンターでの受け取りは約130店舗、ロッカーは約10店舗、ドライブスルーは約80店舗が対応。各受け取り方式を合計すると、約180店舗で導入している(複数のサービスを実施している店舗もある)。今後2〜3年以内には250店舗での対応を目指している。
ドライブスルー方式では「好きな時間に受け取れる」など好意的な意見もある一方で、従来の店舗では「来店後、スムーズに到着を伝えたい」「遠くからでも受け取り場所が分かるような表示が欲しい」といった要望もあった。こうした意見を踏まえ、設備を強化する方針だ。
イオンリテールの広報担当者は「新型コロナウイルスの感染防止のために、まずはサービスの拡大が急務だった。従来の店舗にあるリソースを使って簡易的に実施してきたが、今後は専用レーンなどドライブピックアップに特化した設備を導入する」としている。
イオンは中期経営計画の柱として、ネットスーパーの活用など、デジタルシフトを推進している。コロナ禍の追い風もあり、2020年4〜6月のネットスーパー新規会員数は前年同期比4倍超、売上高も約1.2倍に増えたという。
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