三井不動産、サテライトオフィスサービスにホテルを追加 進む「ホテルのオフィス化」:18カ所のホテルがサテライトオフィスに
三井不動産が、提供しているサテライトオフィスサービス「ワークスタイリング」の拠点にホテルを追加する。対象となるのは「ザ セレスティンホテルズ」「三井ガーデンホテルズ」で、全18カ所。他のホテルでもオフィス化が進んでいる。
法人向け多拠点型サテライトオフィス「ワークスタイリング」を運営する三井不動産は、三井不動産ホテルマネジメントと連携してホテルでのサテライトオフィスサービスを開始する。対象となるホテルは三井不動産ホテルマネジメントが運営する「ザ セレスティンホテルズ」「三井ガーデンホテルズ」で、9月15日から10月にかけて順次展開していく。
ワークスタイリングは、都心部のオフィスビルなどで法人向けにワークスペースを提供するサービス。レンタルオフィス型の「ワークスタイリングFLEX」とシェアオフィス型の「ワークスタイリングSHARE」の2パターンを展開している。好条件の立地に初期費用を抑えてオフィスを構えたり、時間や場所にとらわれずにさまざまな拠点でテレワークできたりするのが特長だ。2017年にサービスを開始し、20年9月現在で約600社、15万人ほどの登録会員を抱える。現在の拠点数は東京都を中心に63カ所だが、両ホテル18カ所を加えて10月には81拠点が利用可能になる。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて在宅勤務が広がった一方で、通信環境やセキュリティの面からテレワークに適したワークスペースのニーズは高まっている。このことから同社は、20年6〜8月に13拠点を新たに開設するなど拠点整備を急いできた。ホテルを拠点に追加する狙いについては、Web会議などに対応できる1人用のワークスペース需要が高まっていることが挙がった。これまでのレンタルオフィス・シェアオフィスに加えて個室需要を満たすことで、多様な働き方や生産性の高い働き方を後押ししたい考え。
ホテル拠点を利用する場合は、ワークスタイリングの会員サイトから予約を行う。10分単位の従量課金制で、フレキシブルに利用できる。リアルタイムで利用状況を確認できるため、勤怠管理も可能だという。
他のホテルでは、アパホテルやプリンスホテル、ニューオータニホテルズなどを中心にテレワークプランの展開が進む。新型コロナの影響でインバウンド需要がしぼむ中、今後もこうした「ホテルのオフィス化」が進んでいきそうだ。
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