「上司の監視が度を過ぎている」 急増する「リモハラ」とその対策:ハラスメント専門研修講師が解説(1/6 ページ)
リモートワークが普及しつつありますが、それに伴ってリモートワーク中に受けるハラスメントも急増しています。リモートワークならではのハラスメントについて、発生の要因と防止策を考えます。
著者紹介:倉本祐子
ダイヤモンド・コンサルティングオフィス合同会社、ハラスメント対策専門家・キャリアコンサルタント。自身のハラスメント経験を生かし、ハラスメント専門研修講師として、企業や自治体を対象に、年間150日以上登壇し、高いリピート率を誇る。各種メディアでも活躍。
リモートワークが普及しつつありますが、それに伴ってリモートワーク中に受けるハラスメントも急増しています。リモートワークならではのハラスメントについて、発生の要因と防止策を考えます。
リモートハラスメントとは何か
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、多くの企業でリモートワーク(オフィスとは違う場所で働くこと)を余儀なくされています。
そうしたなか、「上司の監視が度を過ぎているように思う」「部屋のなかをなめられるように見られた」など、以前にはなかった相談が寄せられています。
そこで、当社で5月にリモートワーク業務で上司とコミュニケーションをとっている会社員110名を対象にインターネットによるアンケート調査を実施したところ、次のような結果が出ました。
「あなたは在宅でのリモートワークに関して、上司とのコミュニケーションで不快感を感じたことがありますか」という質問に対し、「何度もある」と答えた人が41.8%、「ある」と答えた人が37.2%という結果となり、リモートワークで上司とのコミュニケーションにストレスや不快感を感じている部下は、約8割に上りました(図表1)。
具体的な声として、「やたらとWeb会議をやりたがる(38歳)」「仕事をサボっていないかいちいちチェックされる(38歳)」「チャット上での言葉遣いがきつい(31歳)」「わざわざ電話がかかってくる(32歳)」「ほとんどメールでのやりとりなので、ニュアンスが正しく伝わらないとストレス(33歳)」などがありました。
寄せられた声は、ハラスメントとは言いがたいものではありますが、明らかに上司とコミュニケーションがうまくとれていない様子が伺えます。
「リモートハラスメント」は、リモート上で起こるハラスメントのことを指し、パワハラに分類されるものと、セクハラに分類されるものがあります。
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