「上司の監視が度を過ぎている」 急増する「リモハラ」とその対策:ハラスメント専門研修講師が解説(6/6 ページ)
リモートワークが普及しつつありますが、それに伴ってリモートワーク中に受けるハラスメントも急増しています。リモートワークならではのハラスメントについて、発生の要因と防止策を考えます。
ハラスメントは、上司と部下のコミュニケーション不足から起こることが多いため、小まめに会話をすることがポイントです。
「部下から、うざがられるんです」と上司から相談されることがありますが、それでも上司から部下へ働きかけることをやめないでほしいと思います。
というのも、リモートワークをしている人から、体調の不安について相談されることも増えているからです。例えば、「リモートワークになって1日誰とも話さなかった。このまま続けると、寂しすぎてつらい」「仕事の相談をしたいが、相手の状況が分からないので抱え込んでしまいがちになるので、しんどい」「仕事の終わりが見えず、気付けば夜中まで働いていた。いつが休みでいつが平日なのか、分からなくなってきた」という声です。
このほか家族がいるからこその不満を聞くこともあります。「自宅に無理やり働くスペースをつくったので、家族とトラブルになった」「夫婦ともに在宅で、どちらがごはんをつくるかでもめることが増えた」「家族でWi-Fiの取り合いをしている」などです。
このような体調の変化、働く環境の変化は、仕事のパフォーマンスにも影響が出てきます。定期的な面談などを通して、社員の様子を確認することはメンタルヘルスの面でも重要です。
そして、何よりもしっかりとハラスメント対策を講じることです。パワハラ防止法の義務化により、相談窓口の設置や従業員への周知啓発が必要です。
中小企業の適用は2022年4月からではありますが、先んじて体制を整え、研修や講習を通じて従業員の理解を深めていくことが、何よりも全てのハラスメントの抑制につながると考えます。
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