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“まるっと”しすぎ「デジタル庁」に期待できない理由、それでも期待したい理由本田雅一の時事想々(4/4 ページ)

「デジタル庁を可能な限り早期に設置する」と自民党総裁選の頃から掲げていた菅義偉首相。果たしてデジタル庁という切り口がどういうものなのか。あまりにも“まるっと”しすぎているようには感じられるが、実効性を持つのかどうか。

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 デジタル庁が実際のシステム開発にどこまで食い込んでいくかは未知数だが、仮に司令塔に徹するのであれば、政府はもちろん、各省庁の意思決定に関わる人物全てが、技術的な課題や問題解決の手法、コンセプトに関して共通認識を得られるよう徹底すること。

 海外の事例の全てが日本よりも優れているとはいわないが、米国や欧州などで取材をしているとき「DXのために過去のシステムを見直し、あらゆるプロセスをデジタル化。顧客向けに可能な限りシンプルな窓口をアプリやWebで用意する」といった部分を説明されることは“ない”。

 なぜなら、それは当たり前のことだからだ。例えば、マイナンバーカードの活用が鍵であることなど、今さら議論する余地すらないが、そんなことですら事前に「活用が鍵」と言及しなければならないほど、日本の状況は遅れている。

 個人的にはデジタル庁を応援したい、期待したいという立場だが、“日本をまるっとDX”を可能なかぎり素早く行うのなら、その前提条件として「技術のことはよく分からん」と目を背けるレガシー人間が、改革のハードルを上げてはならない。

 おそらくはスーパーな激務になるだろう、デスマーチが鳴り響く現場になるのでは、と危惧してるが、日本を変えるかもしれない未来の英雄を目指してくれる人がいるならば、全力で応援したいものだ。

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