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マスクを外さず顔認証 コロナ禍で待望の新技術、NECが開発:認証率99.9%
マスクを外さず顔認証ができる技術を、NECが開発した。10月下旬以降、空港での手続き、オフィスの入退室などの用途向けに提供する。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、顧客から要望が多かったという。
マスクを外さず顔認証ができる技術を、NECが開発した。10月下旬以降、空港での手続き、オフィスの入退室などの用途向けに提供する。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、顧客から要望が多かった機能という。
新技術は、まず対象者がマスクをしているかどうかを判別。マスクをしている場合としていない場合で照合する顔の範囲を変更し、1秒以内で認証が完了するという。判定スピードを損ねることなく、認証精度を向上させた。NECの社内実験では、マスク着用時の認証率は99.9%という。
NECによると、従来の顔認証システムでもマスクを着用したまま本人確認ができる場合もあったが、多くの人がマスクをしていることを前提に、マスク着用時に特化した顔認証エンジンを開発した。
顔認証技術を研究・開発する今岡仁氏(NECフェロー)は「これまで日本では白マスクが多く、(従来の顔認証システムでも)想定していたが、さまざまな色・柄のマスクが出てきたので、それらにも対応することを意識した」と説明する。
新型コロナの感染が広がる中、NECは7月から、顔認証技術とサーマルカメラを組み合わせ、入退時の本人確認と体表温度の測定ができるシステムも提供。顔認証を含む生体認証や、映像分析事業を強化している。2021年度までに、世界で1000億円の事業規模に育てる計画だ。
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