コロナ時代をどう戦う? IKEA、ニトリ、無印、それぞれの戦略:巣ごもり需要で好調(3/5 ページ)
IKEA、ニトリ、無印良品は巣ごもり需要で好調だった。家具・インテリア雑貨を扱ってはいるが、それぞれの戦略は大きく異なる。コロナ時代をどう戦おうとしているのか。
ニトリは家具からファッションへ拡大し、ビジョン達成を目指す
ニトリの理念には「『ロマン』を原点に、『ビジョン』の実現をめざし続けます」とあります。ロマンとは、「住まいの豊かさを世界の人々に提供する」であり、ビジョンとは2032年に3000店舗、3兆円を達成することです。同社が成長すること=人々の住まいが豊かになるという信念で企業を拡大させているのです。そして実際に、ニトリは21年2月期に37期連続増収増益を目指すコロナ禍での勝ち組企業の代表格となり得ています。
ニトリは21年2月期の業績を上方修正しました。毎年確実に増収増益を達成しています。そして、利益率も10%以上という高収益企業です。この数字を支えるのは、同社の出店政策です。
毎年数十店舗を出店しており、20年度は64店舗の新規出店を予定しています。今年はコロナの影響もありSC内の大型テナントが退店するケースも増えます。その空いたスペースにも一気に売り場を確保しようという強気の姿勢です。1店舗出店すれば10億円の売り上げが積み上がる同社の出店フォーマットは、安定した企業の業績となって表れています。ECサイトも好調で売り上げの10%程度を稼ぐまでに成長しています。今後は店舗+ECでさらに売り上げを積み上げるでしょう。
同社がこれから力を入れていくのはファッション。「N+」(エヌプラス)という働く女性のための洋服を企画し、コーナー展開し、通販サイトも立ち上げて強化し始めています。家具、インテリアからファッションへと事業領域を拡大し、売り上げをかさ上げしていく狙いです。
商品の90%以上を海外生産することで価格を抑えたベーシックな商品政策、郊外型・大型店・車で行けるというニトリの店舗はコロナ禍の繁盛店の定義にもピタリと当てはまっています。
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