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コロナ時代をどう戦う? IKEA、ニトリ、無印、それぞれの戦略:巣ごもり需要で好調(2/5 ページ)
IKEA、ニトリ、無印良品は巣ごもり需要で好調だった。家具・インテリア雑貨を扱ってはいるが、それぞれの戦略は大きく異なる。コロナ時代をどう戦おうとしているのか。
各社の戦略の違いはPLに表れる
ここで各社のグローバルな数字を見てみます。
企業としての売上高が圧倒的に高いのはIKEA(INGKAグループ総売上)です。世界で4兆円を超える売り上げを誇っています。粗利率は3社の中では低いのですが、販管費率が27.6%と低く、もっともローコストオペレーションが徹底されているのが分かります。
良品計画はニトリより海外出店数は多く、グローバル小売業のイメージも強いのですが、売り上げはニトリよりも2000億円少ないというのが実態です。営業利益率も8%以上ありますが、ニトリの16.7%と比較すると見劣りします。
では各社の店舗効率に何か違いはあるのでしょうか。
各社の店舗戦略は大きく異なっています。IKEAは世界の50以上の都市に1店舗8000〜1万坪の郊外型大型店舗を出店しています。1店舗当たりの売り上げは約100億円という巨艦主義で、商圏内のシェアを取る戦略です。ニトリは1店舗1000坪で約10億円の売り上げを上げる中型店を多店舗展開するという戦略。良品計画は500坪以下の店舗を商業施設中心に出店しています。1店舗約5億円の売り上げを上げる店舗を多エリアに出店するモデルです。
店舗の出店フォーマットを見ると、各社の戦略は全く異なることが分かります。その違いは、各社の理念と関係します。
ここからは各社のこれからの戦略に的を絞ってマーケティングのポイントを見ていきます。
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