コラム
Excelと会計ソフトで請求書を自動作成 RPAの基本的な使い方:中小企業の経理業務効率化 一歩一歩(3/3 ページ)
働き方改革は経理業務にも求められています。業務手順を見直し、効率化を図るためのヒントを紹介します。
・(1)Excel+Webブラウザで納付情報の自動作成
経理や税務では、別のソフトを見ながらブラウザに入力する、といった作業も多いのではないでしょうか。その1つが、毎月支払う税金です。
例えば、従業員の住民税は、Web版のPCDesk(地方税ポータルシステムの専用ソフト)を使って納付情報を作成、ネットバンクにひも付けて電子納付をすることが可能なのですが、市区町村ごとに1件ずつ入力していくのはなかなか大変な作業です。
そこで、Excelにて作成した従業員の住民税情報を読み込み、ブラウザに自動で入力するRPAを活用しています(図3)。ボタン1つで動くRPAをつくっておけば、あとは放っておいてもロボットが作業してくれますので、毎月の作業時間の大幅な削減につながります。
・(2)Excel+会計ソフトで請求書の自動作成・メール添付
請求書を会計ソフトで作成し、それをメールに添付する、といったルーティン業務にもRPAは有効です。
Excelに得意先、請求金額等の情報をあらかじめ作成しておき、そのデータを会計ソフトに取り込み請求書を作成、メールに添付する、といった一連の業務もRPAソフトを使って自動化することができます(図4)。
このように、複数のソフトを横断的にまたぐ自動化もRPAの得意とするところです。
著者紹介:戸村涼子
税理士。ITを駆使して経営者にスピーディーに情報を提供する。インターネットビジネスや、仮想通貨取引など新しい分野の税務対応にも積極的に取り組む。
関連記事
- 改正電子帳簿保存法で、経理は本当にペーパーレス化できるのか
デジタル化の促進に関して、注目されている法律の改正がある。10月から施行される改正電子帳簿保存法だ。今回の改正によって何が変わるのか、実務上どのような影響があるのかをみていく。 - 日本の経理、効率化のカギはBPO 「多すぎる勘定項目」「紙の請求書」を乗り越えるには
リモートワークが難しいとされる経理業務。経理業務に関するソリューションを提供しているファーストアカウンティングの森社長は、課題として「多すぎる勘定項目」と「紙の請求書」を挙げる。リモートワークやBPOを進めるにはどうすればいいのだろうか。 - コロナでも出社? 経理の完全リモートワークを阻む壁
コロナ禍によってリモートワークに移行した企業は数多い。緊急事態制限が解除された今も、企業の働き方は「全員出社」から「出社とリモートワーク併用」が増加している。しかし、仕事によってはなかなかリモートでの業務が難しい。代表的な職種の1つが経理だ。 - 社内稟議・決裁をスムーズに行う工夫とは
テレワーク導入が拡大していますが、稟議や決裁の方式は以前のまま、ハンコを押すためにわざわざ出社することもあるようです。新しい働き方に即したスムーズな稟議・決裁の方法を考えます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.