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キオクシアHD、上場直前に延期 米中貿易摩擦、テック銘柄の株価軟調で:旧東芝メモリ
半導体メーカーのキオクシアHDが、10月6日に予定していた東証への上場を延期。米中貿易摩擦の影響、株式市場の動向などを考慮したという。
半導体メーカーのキオクシアホールディングス(HD)は9月28日、10月6日に予定していた東京証券取引所への上場を延期すると発表した。28日の取締役会で決議した。「最近の株式市場の動向や新型コロナウイルス感染の再拡大への懸念など諸般の事情を総合的に勘案した」という。
NHKの報道によると、米政府が15日から中国のファーウェイに対し、半導体の供給規制を始めたことも影響しているという。キオクシアHDの広報担当者は「米中貿易摩擦の影響はある。ただ、9月に入りテック銘柄の株価が軟調に推移していることが主な要因」としている。
同社は「適切な上場時期を引き続き検討していく」という。
キオクシアHD(旧東芝メモリ)はもともと東芝の半導体部門だったが、米原発事業などで巨額損失を抱えた東芝が2017年4月、損失の穴埋めとして分社化。18年6月には、米Bain Capitalなどが組む「日米韓企業連合」に約2兆円で売却した。
東芝はその際に再出資し、約40%の株式を保有している。上場に伴い、東芝は一部株式を売却し、株主に還元する方針だった。上場中止を受け、東芝は「売却についても中止する」としている。
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