国内最大の木造オフィスビル、東京・日本橋に建設 三井不動産と竹中工務店が計画:2025年完成を目指す
三井不動産と竹中工務店は、木造高層建築物として国内最大・最高層となる賃貸オフィスビルを東京・日本橋に建設する計画に着手する。森林資源の有効活用やCO2排出量削減などを見込む。2023年着工、25年の完成を目指す。
三井不動産と竹中工務店は9月29日、木造高層建築物として国内最大・最高層となる賃貸オフィスビルを東京・日本橋に建設する計画に着手すると発表した。高さは約70メートルを想定。森林資源の有効活用やCO2排出量削減などを見込む。今後、計画の検討を進め、2023年着工、25年の完成を目指す。
建設計画地は東京都中央区日本橋本町一丁目。地上17階建て、延べ床面積約2万6000平方メートルを想定している。
構造材には、竹中工務店が開発した耐火集成材「燃エンウッド」を採用するなど、最先端の耐火・木造技術を導入する。燃エンウッドは独自の燃え止まり機構により、柱や梁を火災の熱から守る技術。また、三井不動産グループが北海道に保有する森林の木材をはじめ、国産材を積極的に使用。使用する木材の量は1000立方メートルを超える見込みだという。
建築資材に木材を使用することで、同規模の一般的な鉄骨造オフィスビルと比べて、建築時のCO2排出量を約20%削減する効果を見込んでいる。
両社はこれまで、森林保全や木材活用に取り組んでおり、その活動経験を生かしてプロジェクトを進める。両社は「これまでになかった木造高層賃貸オフィスビルの実現により、都心で働くワーカーや来館者、周辺の皆さまに対し、木造ならではのぬくもりとやすらぎを与え、日本における都心での街づくりへの新たな価値創造や景観を生み出す魅力あふれる場となる」ことを期待しているという。
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