やっぱり、オフィスデザインは変更したほうがよさそうだ:企業の懸念(2/4 ページ)
新型コロナ感染拡大を受けて、オフィスをあり方を見直す企業が増えている。テレワークを導入したことで面積を狭くしたり、決まった席がないフリーアドレスを導入したり、サテライトオフィスを設けたり。そんな中で、課題もあって……。
ウイルスを拡散しかねない状態
次の時代に必要なオフィスデザインには、いくつかのキーポイントがある。まず、オフィス内でウイルス拡散を防ぐためには、CDC(米国疫病管理予防センター)などが推奨しているように、外気を取り入れ換気をよくすることが大事だ。
そのためには、窓やドアを開ければ簡単に対策できると思いがちだが、実はそう単純ではない。現在、多くのオフィスでは省エネのために、建物の密封性を高めているからだ。つまり、窓をきちんと開けることができないオフィスデザインになっている場合も少なくない。
そこで、解決策として注目されているのが、欧州で採用されている特殊な窓を導入することだ。窓枠に目立たないように熱交換器がはめ込まれているため、外気が室内に入る際に温度調節ができるという。換気と室内の温度調節が同時にできて、さらに省エネの優れたデザインなのだ。
また、忘れてはならない注意点として、状況に合わせて手動で窓の開け具合を調節できることだ。例えば、米国でニュースになっているような西海岸の山火事などとは言わないまでも、外気のクオリティーが悪化した場合には、手動で調整することが必要になる。
次に重要となるポイントが、水場のレイアウトだ。ウイルスを持ち込まないようにするには、こまめな手洗いが必要になる。オフィス内で手を洗える場所となると、トイレだけのところが多いが、それだと不便で対策が不十分になる。トイレだけではなく、人の往来が多い場所に手を洗えるような設備を配置することが、ウイルスの感染予防対策として非常に効果的だという。
もちろん、手で触れる場所をできるだけ減らすことも効果がある。例えば、ボタンではなくセンサーで開閉できるドアに切り替えたり、ドアそのものをなくすことも感染予防対策になる。
また、換気や水場の対策に次いで見直しすべきなのが、オフィスの空気循環システムだという。特に、近年人気となっているオープンスペース型のオフィスは、注意が必要だ。その理由として、オフィス内の壁やパーテーションを取り払ったことで、逆に広い空間に漂う空気を大勢の従業員でシェアすることになり、ウイルスを拡散しかねない状態になっているからだ。
応急処置として、透明なプレキシグラスなどを設置することで、一時的に飛沫を防ぐことはできるが、長期的には根本的な改造が必要になってくる。安全性を高めるには、空気を循環させる新たなシステムを導入することが確実だ。
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