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コロナ禍で改革急ぐファミレス サイゼリヤとジョイフルの苦戦が長引きそうな理由:「近づけない、集めない」 時代を生き抜く、企業の知恵(4/7 ページ)
コロナ禍を乗り切るためファミレス各社はさまざまな改革を打ち出している。サイゼリヤとジョイフルは苦しい状況が続きそうだ。その理由とは。
びっくりドンキーの新業態
びっくりドンキーを展開するアレフでは、6月に新業態「ディッシャーズ」を、神奈川県藤沢市片瀬海岸の新商業施設「エノトキ」と、東京都新宿区の新宿住友ビルに連続して出店した。
もともとは人件費高騰に対応して、省人化して生産性を向上させるのがディッシャーズ開発の目的であった。しかし、ちょうど新型コロナの流行と重なり、オープンが2カ月遅れた。その結果、非接触性が高い店として注目を集めている。店内に置かれたタブレット端末による注文、セルフレジ、テークアウト窓口の設置など、従来のびっくりドンキーとは異なるアプローチだ。
店員が顧客と接触するのは、入店時のお迎えと配膳のみである。
店内は1人で来店できるカウンター席が充実しており、携帯電話やノート型PCが充電できるコンセントも整備。リモートワークにも対応しており、カフェ利用も可能。
また、近年流行しているサラダ専門店によくあるような、栄養バランスを考えた多彩な食材を使った料理を提供している。ライスもカリフラワーライスに替えることが可能で、ダイエットしたい人に喜ばれている。このため、女性客の比率は6割となっている。
ディッシャーズは中小規模の店舗スペース向けに開発したが、ランチでは満席になるほど好評。アレフでは、既存のびっくりドンキーでも同じようなシステムを導入できないか、検討に入った。現在、南池袋店で実証実験を行っている。
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