コロナ禍で改革急ぐファミレス サイゼリヤとジョイフルの苦戦が長引きそうな理由:「近づけない、集めない」 時代を生き抜く、企業の知恵(5/7 ページ)
コロナ禍を乗り切るためファミレス各社はさまざまな改革を打ち出している。サイゼリヤとジョイフルは苦しい状況が続きそうだ。その理由とは。
デニーズのデリバリー専門店
デニーズを展開するセブン&アイ・フードシステムズでは、新型コロナ対策でソーシャルディスタンスに考慮した店づくりを行っており、座席数をこれまでの60%程度にまで減らしている。そのため、従来の店舗では売り上げを増やすことは難しくなったが、新しく今秋からデリバリー専門店を本格的に展開する。
大井町駅前店(東京都品川区)の横に5月11日、デリバリー専門店を実験的に設けて検証を進めている。
同社広報によれば、「大井町駅前店とは厨房も別で、宅配専用の手の込んだパエリアなどのメニューも開発した」とのことだ。宅配だからこその特別メニューを提供して、デニーズのデリバリーの価値をアピールしていくという。客席の要らないゴーストレストランならば、外に看板を出す必要もなく、裏通りでもビルの上階でも出店できる。接客係も要らないので、店員は料理を作るだけ。配達はウーバーイーツ、出前館などの専門業者が運んでくれる。
ブランドの知名度と信用を積み重ねてきているデニーズならば、デリバリー市場でも有利だろう。
宅配専門業者が営業を行っていない郊外では、別の対策を打つ必要がある。そこで、8月から東京都江戸川区の本一色店にて、ドライブスルーの実験「くるまでデニーズ」を開始した。
車内から店舗横のインターフォンで注文。15分ほど待ってもらい、料理ができたら携帯電話に連絡する。現金の場合は、店員が車に料理を届ける際に支払う。キャッシュレスなら、車を降りて店内のレジで決済する。キャッシュレスでも車内で決済できるように改善されたらベターだろう。
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