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RAV4 PHVとHonda e予約打ち切り どうなるバッテリー供給池田直渡「週刊モータージャーナル」(2/7 ページ)

トヨタRAV4 PHVと、ホンダのHonda eの予約注文が中止になった。両車とも想定以上に売れたことが理由なのだが、トヨタははっきりとバッテリーの供給が間に合わないと説明している。ホンダは予定生産台数の国内配分枠を売り切ったからというのが正式説明だが、まあおそらくは、その予定生産量を決めているのはバッテリーの供給量だと踏んで間違いはあるまい。

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電動車と電気自動車の復習

 さて、ここまでは時事ネタをベースにした話。原稿の構成的には枕の部分だ。ここから本筋に話が進む。それはバッテリーの生産に関する現状の話である。

 バッテリーのサプライ状況は、電気自動車(EV)の未来を決める。EVだけではない。すべての電動化車両に影響を与えるのだ。すでにトヨタはバッテリー生産量第1位のCATL社、第2位のパナソニック、第3位のBYDとパートナーシップを結んでおり、グローバルトップ3全社と提携しても供給に問題が起きている。その現状をリアリズムを持って受け止めるべきだろう。

 さて、そこそこ重要な余談だが、9月29日にロイターが大誤報を放ち、それを朝日新聞デジタルが検証もせずに再配信していたが、この人たちは何度言っても電気自動車と電動車の違いが分からないようだ。

 「トヨタは従来の計画を5年早め、2025年に電気自動車の世界販売550万台を達成する」というのが誤報の内容だが、トヨタが言っているのは電動車を550万台という話で、EVなどとは一言も言っていない。12年間実績を積み上げてきたテスラの2019年の販売実績は36万7000台である。2020年現在、事実上EVをラインアップに持たないトヨタが、あと5年で自社の年間生産台数の過半にも及ぶ550万台のEVを生産・販売できるかどうかは、常識さえ持ち合わせていれば容易に想像できる。それが分からない人間が記事を書いているというところにもはや恐ろしさを感じる。


RAV4 PHVのシステム

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