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RAV4 PHVとHonda e予約打ち切り どうなるバッテリー供給池田直渡「週刊モータージャーナル」(3/7 ページ)

トヨタRAV4 PHVと、ホンダのHonda eの予約注文が中止になった。両車とも想定以上に売れたことが理由なのだが、トヨタははっきりとバッテリーの供給が間に合わないと説明している。ホンダは予定生産台数の国内配分枠を売り切ったからというのが正式説明だが、まあおそらくは、その予定生産量を決めているのはバッテリーの供給量だと踏んで間違いはあるまい。

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 この連載を読んでいる人は先刻ご存知の話だとは思うが、念のため解説しておこう。電動車というのは、大分類で「哺乳類」みたいな全体集合を指す。駆動用のモーターが搭載されていれば、それがメインだろうが補助だろうが全部電動車だ。スズキのSエネチャージ(マイルドハイブリッド)からトヨタのTHS2(ハイブリッド)、あるいはテスラ(電気自動車)まで、全部電動車である。

 対して、用語としての電気自動車が意味するのは、バッテリーに外部から充電して、その電力をエネルギーにモーターの駆動で走るクルマのことで、これは哺乳類に対する「人類」みたいな小分類。電動化、もしくは電動車両という全体集合の一部に電気自動車という部分集合がある。

 ロイターは哺乳類の話を人類の話として書いてしまったわけだ。問題なのは「哺乳類の大幅増加」という話ならば普通のニュースなのに「人類の大幅増加」だと、そこに特定の意味が発生し、食料問題や環境問題の争点にされる。EVも裏返しながら同じ傾向にあるので、こういう誤報は罪深い。

 英語では電動車は“Electrified vehicle”、電気自動車は“Electric vehicle”だ。数年前これを誤訳した日経新聞が、「ボルボが全生産車両をEVに」という大誤報をやらかして以来、大手メディアは反省もなくこの手の誤報を何度もまき散らして世の中をミスリードし続けている。


Honda eも予約中止。背景にはバッテリー供給の問題があると見られる

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