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RAV4 PHVとHonda e予約打ち切り どうなるバッテリー供給池田直渡「週刊モータージャーナル」(6/7 ページ)

トヨタRAV4 PHVと、ホンダのHonda eの予約注文が中止になった。両車とも想定以上に売れたことが理由なのだが、トヨタははっきりとバッテリーの供給が間に合わないと説明している。ホンダは予定生産台数の国内配分枠を売り切ったからというのが正式説明だが、まあおそらくは、その予定生産量を決めているのはバッテリーの供給量だと踏んで間違いはあるまい。

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現状を正しく理解したソリューション

 ということで、バッテリーの供給に構造的問題を抱える現状では、よりバッテリーの搭載量を少なくしつつ、いかに効率的に温室効果ガスの発生を抑えるかが求められている。真剣に環境のことを考えるのであれば、そうなるはずだ。

 「ゼロエミッションのEV以外は紛い物だからダメだ」と言うならば、高価なEVを買えない人たちはこれまで通り内燃機関オンリーのクルマに乗ることになる。それでは環境はちっとも改善しない。あるいはもっと急進的に「今すぐEV以外のクルマを禁止せよ」みたいな話になるかもしれない。もしそんなことになったら、世界中で人と物の流れが止まり、ロックダウン状態に陥るだろう。

 結局は、長期的にはバッテリー供給量の問題を解決し、低価格化を達成して、オールEVへの道を模索していくことになるだろうが、その過程では、時代時代に応じたベストエフォートとして、プラグインハイブリッドや、ハイブリッド、マイルドハイブリッド、クリーンディーゼル、低排出ガス内燃機関などを組み合わせつつ、トータルで温室効果ガスの排出が最小になるようにコントロールするより他はない。

 ちなみに現在の各方式に求められるバッテリー容量はおおむね以下のような形だ。

  • プレミアムEV(テスラなど) 80kWh
  • レギュラーEV(日産リーフなど) 40kWh
  • 低容量EV(Honda e など) 35kWh
  • プラグインハイブリッド(トヨタRAV4 PHV など) 20kWh
  • ハイブリッド(トヨタ・プリウスなど) 1kWh
  • マイルドハイブリッド(スズキ・ワゴンRなど) 0.04kWh

各方式に求められるバッテリー容量

 もちろん、これはあくまでもこんな感じという話であって、具体的な車種を定めると少しずつ違う。例えばハイブリッドは1kWhとしてあるが、プリウスは1.3kWhで、アクアやフィットは0.9kWhという具合になっている。

 全部がEVになれば確かにめでたい話で、走行中の排出ガスはゼロになるのだが、現実的に普及率がグローバルで2%かそこらのEVにはまだ遠い道のりだ。

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