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小さくなったカセットコンロ「タフまるjr.」は、なぜ2倍ペースで売れているのか水曜インタビュー劇場(ジュージュー公演)(2/6 ページ)

岩谷産業のカセットコンロ「タフまるjr.」が売れている。8月に発売したところ、想定の2倍ペースで売れているわけだが、なぜ消費者にウケているのか。サイズは小さいのに……。

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機能面で3つの特徴

土肥: タフまるJr.の売れ行きが好調のようですね。パッと見て、「ちっちゃいなあ」と感じるのですが、機能面の特徴は3つありますよね。1つめは、空気は通しても風は通さない「ダブル風防ユニット」と、炎が短い「多孔式バーナー」を搭載しているので、風の影響で炎が消えにくいこと。2つめは、コンパクトなサイズにもかかわらず、火力が1時間あたり2000キロカロリーもあること。ちなみに、同じくらいのサイズの場合、1600〜1800キロカロリーが多いようで。3つめは、10キロの重さに耐えることができるので、8インチまでのダッチオーブンでも使えること。

 機能面だけでなく、デザインや色などを見ると、「キャンプに使えそうだなあ」という印象を受けるのですが、どのようなきっかけで、このような商品をつくることになったのでしょうか?


空気は通しても風は通さない「ダブル風防ユニット」

火足が短い「多孔式バーナー」

多田: グランピングが2015年ごろから流行りだして、18年ごろからはソロキャンプが話題になりました。タフまるjr.の親であるタフまるを発売したところ、想定以上の人気となりました。18年2月に店頭に並べて、今年8月までに累計17万8000台売れている。年間の目標台数は3万台だったので、その数字を大きく上回ることができました。ちなみに、昨年度(19年4月〜20年3月)は7万台売れたのに対し、今年の4月〜8月は5万6000台。つまり、昨年の2倍ペースで売れているんですよね。

 実際、アウトドアでご利用いただいている人が多いようですが、家のベランダで食事をする、いわゆるべランピングの利用も増えてきました。こうした背景を受けて、昨年「アウトドアに特化したコンパクトなカセットコンロをつくろう」「手軽に持ち運べるモノがいいのでは」という話になりまして、開発が進みました。


親のタフまるも売れている

土肥: アウトドアの楽しみ方もいろいろあって、「火は炭で起こさなければいけない」といった人もいますよね。タフまるjr.は、どういった人たちをターゲットにしているのでしょうか?

多田: 高い山を登る人ではなく、本格的なキャンプを楽しむ人でもなく、家でカセットコンロを使っていて、外で食事をするときに持ち出すことに抵抗がない人をターゲットにしました。その昔、キャンプでカセットコンロを使っていると「カッコ悪いなあ」といったイメージをもつ人が多かったかもしれません。ただ、利便性はあると思うんですよね。ボンベのガスがなくなると、コンビニで調達できる。ランニングコストも安くて、手軽に火を起こすことができる。こうした背景があって、アウトドアでカセットコンロを使うことに抵抗を感じる人が減ってきているのではないでしょうか。

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