収益は前年同期比15%増 コロナ禍でも増収増益の米Tinder幹部を直撃:「近づけない、集めない」 時代を生き抜く、企業の知恵(5/5 ページ)
コロナ禍で各社が経営戦略の見直しを迫られる中、あえてオンラインによるコミュニケーションに商機を見いだし、ビジネスの機会を生み出そうとしているソーシャル系マッチングアプリ 「Tinder」。米Tinder本社の役員ジェニー・マケイブCCOにコロナ禍を含めたビジネス展開などについて話を聞いた。
オンラインでのコミュニケーションに商機見いだす
以上がジェニー・マケイブCCOへのインタビュー内容だ。デジタルネイティブのZ世代は、スマホなどを通じて人とつながることが当たり前だった世代だ。メッセージアプリなどで気軽に友人とコミュニケーションをとることができ、1人でいるように見えても常に誰かと話していることが自然なのだろう。
だがこの現象を逆に捉えれば、孤独への耐性という点はZ世代の弱点かもしれない。だからこそ同社はSWIPE NIGHTなどを仕掛けることでオンラインでのコミュニケーションを活発化させ、コロナによって当たり前となりつつある「非接触」の環境においてもアプリを楽しんでもらえる工夫を施している。同社がコロナ禍を経験して、今後商機を見いだしているのはこのオンラインでのコミュニケーションだろう。SWIPE NIGHTの実施の背景にはそんなもくろみが見え隠れする。
Z世代より上の世代は、まだまだアプリで人と出会うことに対してネガティブな心情を持っている人も少なくないが、Tinderはそうしたリアルでの出会いを促進するような施策も打ちつつ、コロナ禍によって増加したオンラインでのコミュニケーションニーズも満たすアプリになっていきそうだ。
今後、新型コロナのワクチンや治療薬が開発されたとしても、リアルでの接触が以前のように100%戻る保証はない。そうなると、Tinderはオンラインとリアルどちらの方向にも対応するマッチングアプリとして、より強さを発揮しそうだ。
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