ロゼワインが「子どもっぽい」とされる理不尽 日本でのビジネスチャンスは?:食の流行をたどる(4/5 ページ)
日本において、ロゼワインは子どもっぽい飲み物とされる。フランスでは白ワインより消費量が多いのにこの扱いは理不尽である。ビジネスチャンスはないのか。
ロゼワインの魅力とは
では、ここからはその魅力についてお伝えしたい。
実は、ロゼワインには辛口が多い。そのため、フレンチやイタリアンなどの洋食はもちろん、和食やアジアン料理にも合う。シーンや料理を選ばないフードフレンドリーなワインである。
筆者が特におすすめしたいのは、暑い夏にキンキンに冷やしたロゼを味わうことだ。炭酸で割ってワインスプリッツァーにしてもいい。
ロゼワインには、辛口ですっきりしているものから果実やスパイスの香りがするものまで、さまざまなボトルが存在する。前者は冷やして食前酒としてテラスで味わってはどうだろうか。
白と赤、両方の魅力を兼ね備えているので、コース料理とともに1本のロゼワインを楽しむこともできる。まずは、食前酒としてきりっと冷やした状態で。そして、ワインの温度が上がってくるにつれてお肉などのメインに合わせるといった具合だ。
日本では明るい兆し
「日本では人気がない」という悲しい事実をお伝えしたが、最近ではロゼ好きにとってうれしい兆しが見えてきた。
まずは、ロゼワインを楽しめるお店が増えていることだ。ワインショップといった酒販店での取り扱いが増えたことはもちろん、飲食店で楽しめるシーンも増えている。
中でも特徴的なのは、東京・中目黒にある「サンドイッチストア」だ。ロゼワインだけで60種そろえている。また、大阪にはロゼワイン専門店なるものも存在する。
いわゆる「イノベーター理論」で表現すれば、アーリーアダプターが愛飲するイメージが強いかもしれないが、ニッチであるが故に「ロゼ会」なるロゼ愛飲者が集まって思う存分飲み比べる会なども存在する。
また、昨今では食通の人と食事に行った際、最初にロゼワインを注文するシーンも増えてきた。
ブラッド・ピットとアンジェリナー・ジョリーが自身のワイナリーで開発した「ミラヴァル」が一時話題となったことを記憶している人もいるのではないか。このような象徴的な商品が登場したことも、明るい兆しだろう。
なぜ、ロゼワインの普及活動に明るい兆しが見えてきたのか。ワインが長い時間をかけ、日本で当たり前に飲まれるアルコールになったことが背景にあるのではないか。「赤は常温でお肉に」「白はきりっと冷やして前菜や魚料理に」といった型にはまった飲み方だけではなく、さまざまなワインを自分の好きなスタイルで自由に楽しむ文化が根付いた。その結果、ロゼワインのようになじみの薄かった種類も楽しまれるようになったのではないだろうか。また、その可能性に気づいたメーカーが、女性をターゲットに輸入販売をスタートしたことも背景にあるだろう。
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