コロナ禍で売上は1.5倍! 耳をふさがない「骨伝導ヘッドフォン」は何がスゴいのか:路上でも使える(3/6 ページ)
新型コロナの感染拡大を受けて、宿泊業や外食産業は大きくダメージを受けているが、そんな中でも前年比で売り上げを伸ばしているアイテムもある。「骨伝導ヘッドフォン」だ。なぜ、この商品が売れているのかというと……。
路上での安全性を向上
従来のインイヤーのヘッドフォンは環境音をさえぎることから、路上で身に付けていると音量によっては安全を確保しづらい場面もある。実際、フランスではクルマ・バイク・自転車の運転中にヘッドフォンやイヤフォンを装着していると135ユーロの罰金が科せられるなど、厳しい規制を設けている国もある。
日本の場合、国が定める道路交通法では自転車運転中のヘッドフォン、イヤフォンの装着は明確に禁止されているわけではないが、各都道府県により扱いが異なる。例えば、東京都では道路交通規則 第8条 (運転者の順守事項) により、「高音でカーラジオ等を聞き、又はイヤホーン等を使用してラジオを聞く等安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両等を運転しないこと」と明記されている。
その点、耳をふさがず周囲の音を認識できる骨伝導ヘッドフォンは、路上利用時の安全性が高いことからアスリートにファンが多い。英国ではすべてのロードレースで利用が承認されている唯一のヘッドフォンであり、レース中に骨伝導ヘッドフォンを身に付ける選手もいるという。
同社のPRやマーケティング活動においても、ディズニーが主催する米国の「ウォルト・ディズニーマラソン」への協賛、グランツール7回制覇の最強チャンピオンと称される英国のサイクリスト クリス・フルーム氏とのコラボレーションをはじめ、スポーツをキーワードにファンを獲得してきた背景がある。
日本人アスリートにも一定数の愛好者がおり、プロロードレース選手であり、日本人初のツール・ド・フランス完走者の一人である別府史之氏も、その一人。「防水仕様なので、たくさん汗をかくトレーニング中に使用しても安心、暑くなって蒸れることもないので快適です」と同社の骨伝導ヘッドフォンについて語った。
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