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セブンの「ステルス値上げ」を疑う人が、後を絶たない理由:スピン経済の歩き方(6/6 ページ)
消費者が知らない間に、こっそりと量を減らして価格は据え置き――。セブン-イレブンが「ステルス値上げ」をしているのではないかと叩かれている。なぜ、このように疑われているのか。筆者の窪田氏は、このように分析していて……。
「低価格高品質」の呪い
「近くて、便利」を掲げるセブンの企業理念を見ても、どこにも「安さ」はうたっていない。もともとコンビニは手ごろな価格で商品を提供するような場所ではなかったのだ。それがドミナント戦略という血の海で戦ううちに、現場の人間を犠牲にしてでも「手ごろな価格」を実現しなくてはいけないという強迫観念に取りつかれてしまったのだ。
日本を代表する流通企業が、1日も早く「低価格高品質」の呪いを断ち切ることを心から祈りたい。
窪田順生氏のプロフィール:
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。
近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。
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