売上5.8倍に! ロイホ発の冷凍食品が好調なワケ:水曜インタビュー劇場(自宅公演)(1/5 ページ)
ロイヤルホールディングスが展開する「ロイヤルデリ」の売り上げが好調だ。商品は「冷凍食品」のみ。デリバリー需要が伸びている中で、なぜ冷凍商品が売れているのか。同社の担当者に話を聞いたところ……。
ファミリーレストランなどを運営するロイヤルホールディングス(HD)は、正社員200人ほどの希望退職を募集――。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、多くの外食チェーンが苦しんでいる。このようなニュースを目にすると、「まあしょうがないでしょ。経営の教科書にも『人件費を抑えて、収益力を改善すること』なんて書かれているからな」と思われたかもしれない。
確かに、その通りである。新型コロナの影響が長期化すれば、今後さらなるリストラに踏み切らなければいけなくなるので、その前に手を打つことは悪いことではない。しかし、である。「コロナ拡大=客数減=収益悪化」と考えると、全ての事業がダメといったイメージを受けるかもしれないが、ロイヤルHDの場合、よーく見ると「キラーン」と輝きそうな事業もあるのだ。例えば、「ロイヤルデリ」である。
「うーん、ごめん。聞いたことがないや」という人のために、簡単にご紹介しよう。ロイヤルデリは、一言でいえば「冷凍食品」である。「シェフが鍋でつくる温かな味」をコンセプトに、昨年12月にスタート。当初、ECサイトと1店舗のみでの展開だったので、認知が広がらず、売り上げは伸び悩んだ(現在は、全国のロイヤルホストで販売)。しかし、春先に追い風が吹き始める。
新型コロナ感染の広がりを受けて、多くの外食はシャッターを下ろすことに。その一方で、ロイヤルデリは客数を伸ばしていく。4〜6月の売り上げをみると、1〜3月の5.8倍。緊急事態宣言が解除されても客数は途絶えることなく、7〜9月も同4.2倍である。
デリバリーやお弁当需要が増していく中で、なぜ同社の冷凍食品も売れに売れているのか。同事業を担当している庵原リサ部長に、消費者の食行動を分析してもらった。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。
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