「70歳まで会社にしがみつく人」が結局、会社を弱体化させてしまうワケ:スピン経済の歩き方(6/6 ページ)
定年を引き上げるニュースが相次いでる。現行の60歳から65歳にする企業が増えてきているわけだが、筆者の窪田氏はこの動きに懸念を抱いている。「長く働くことができていいじゃないか」と思われたかもしれないが……。
老人内部の裏切り者
政治のリーダーも同じだ。菅義偉首相は71歳。最近、『二階俊博vs麻生太郎のバトルが過熱…「おい麻生、お前はもう死んでるぜ」』(現代ビジネス 11月8日)なんて報じられた政界の二代巨頭はともに80歳を超えている。
日本は100年前から変わらぬ安定の「老人支配」が続いているのだ。二階さんや麻生さんを見ても分かるように、80歳を超えても引退するつもりがぜんぜんないおじいちゃんが増えている。政府も「健康寿命が延びているので、年金をもらっても死ぬまで働くべきだ」と旧ソ連のようなことを言い出している。
「70歳定年法」で老人支配がさらに強まるのは間違いない。日本の若者世代の受難はまだまだ続きそうだ。
窪田順生氏のプロフィール:
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。
近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。
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