在宅勤務で生産性は本当に向上した? 社員が企業に求めるものとは:メンタル不調に悩む若手も(2/2 ページ)
在宅勤務が業務の生産性や社員のメンタルにどのような影響を与えているのだろうか。NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションは、「テレワークと会社に対する満足度」についての調査結果を発表した。
生産性が向上した理由と在宅勤務の課題とは
在宅勤務によって個人の業務生産性が向上した理由を尋ねてみると、「業務だけに集中できる」が最も多く59.2%となった。次いで「無駄な会議が減った」(46.1%)、「余計な仕事を振られなくなった」(40.8%)が続いた。周囲に上司や同僚の存在がないことで雑事が減り、自分の業務だけに集中できるようになったことが生産性向上の要因だといえる。
一方、生産性が低下した理由では「話せばすぐ終わることを文章にすると時間がかかる」(51.1%)、「すぐに聞きたいことも返事を待つ時間のロスが発生」(43.1%)などがあげられた。対面でのコミュニケーションの代わりに、メールやチャットなどで情報共有をするようになったことが、業務に集中できる環境を生み出している一方、報告や連絡などで非効率な状況を招いてしまうケースがあることが分かった。
新型コロナウイルス感染拡大が続く中、心身にストレスを感じている人はどのくらいいるのだろうか。「最近、心身のストレスなどを感じることがあるか」との問いに、12%が「強く感じる」と回答。「まあ感じる」(35%)を合わせると、47%がストレスを感じている。年代別に「感じている不安や悩み」を見てみると、特に20代の若手社員では「モチベーションが低下してやる気が出ない」「何となく気分が落ち込んでいる」「不眠に悩んでいる」「孤独感が強まった」など、メンタルの不調を感じている人が2割程度いることが分かった。会社として定期的に社員の声を聞くなど、サポートやケアが必要であると考えられる。
在宅勤務を続ける中で会社に求めることを尋ねたところ「自宅の業務環境の整備」(29.5%)が最多となった。次いで「やりがい・モチベーションの維持」(25.6%)、「適正な評価・昇給制度」(25.4%)などが続いた。在宅勤務が長期化する場合は、ツール類はもちろん、自宅内で仕事ができる環境を整えるための支援や、評価制度、コミュニケーションの活性化などを含めた総合的なモチベーション管理が求められている。
調査は9月14日〜23日に、従業員数51人以上の企業に勤めている20歳〜59歳の男女を対象にインターネットで実施。有効回答数は3485人だった。
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