ジョブ型雇用やリモートワークが進めば、どんな人材が必要なのか:見逃せない観点(2/3 ページ)
事業組織にとって「優れた人材」とはどんな人材でしょうか。ジョブ型雇用の拡大や、リモートワークによる業務の分断が進めば進むほど、個々が自分の仕事をとらえる「意識の視界」具合は見逃せない観点になってきます。
その仕事が自分ごとであれば「意識の目」は自然と大きく開く
目の前の仕事を「自分ごと化」させているかどうかはいろいろなところに表れます。例えば、品質意識。上司や顧客に見えない部分であっても、ていねいに仕上げようとするこだわりがあるかどうか。あるいは、協働意識。自分の担当範囲外であっても、目配り・気配りがあるかどうか。さらには、誇り。その道のプロとして自負心を持っているかどうか、など。もし、こうした自問に強くYESと答えられるなら、あなたは仕事を自分ごとにしているといえるでしょう。
では、仕事の「自分ごと化」と「意識の目」の関連について、少し詳しく触れましょう。
組織の中で自分に任された業務というものをどうながめながら進めるか、それには個々でかなりの違いがあります。ここで言う「ながめる」とは、肉眼で見ること以上に、「意識の目」で見ることを含みます。
「意識の目」が見る範囲――ここではそれを「意識の視界(スコープ)」と呼びます――には下図の4つの要素があります。すなわち、[1]業務そのもの、[2]業務の周辺にある副次的なもの、[3]顧客への目線、[4]経営への目線です。
職場には、担当業務を自分の都合だけで見る人、言い換えると、与えられた仕事を及第点でクリアすることしか考えない人がいます。つまり全体観や周囲への配慮、仕事を通じての探求心といったものが欠けている仕事態度です。仕事とは金を得るための労役であり、自分が起こす労働や時間は最低限で済ませたいという心持ちがそうさせるのでしょう。こうした人の「意識の視界(スコープ)」は、とても狭く暗くなっています。
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