DMM子会社ベルリング、新型救急車を公開 第3の救急車メーカーとして22年の量産化を目指す:C-CABIN(1/3 ページ)
DMM.comの子会のベルリングは、新型救急車「C-CABIN」のコンセプトカーを発表した。同社は21年11月までに開発を完了し、22年1月から量産化を目指す。将来は東アジアなどでの展開も予定している。大手メーカー2社の寡占状態が続く業界に参入した思いとは。
DMM.comの子会社で、消防用資機材や関連製品の販売などを行うスタートアップのベルリング(横浜市)は11月18日、新型救急車「C-CABIN」のコンセプトカーを発表した。トヨタと日産の寡占状態が続く救急車製造業界に新たに参入を決意した同社の思いとは。
C-CABINは、トヨタの「ハイエース」スーパーロングをベースにしている。一見すると従来の救急車との違いを感じられないが、車内スペースを拡張し「救急隊員が本当に必要とする安全性と使いやすさ」を追求しているという。
ベルリングは、消防自動車のパーツ製造を行っていたスタートアップ企業だ。軽量化技術を活用し、車両のボディーを拡張して車内の空間を有効活用した消防車などを手掛けていた。この実績を買われ、ある消防本部から救急車の製造依頼が来たことが、開発を始めたきっかけだったという。
「父親が消防士だったこともあり、もともと(救急車に)興味があった。また、実際にニーズを探るため、救急隊員から話を聞いたり、海外の現場を視察したりする中で『なぜ日本の救急車ってこうなのか』という思いがあった。もっと良い製品ができると思い企画を始めた」(飯野氏)
構想から約3年、開発に着手して1年程でコンセプトカーの公開にこぎつけた。開発までには様々な声が上がったという。現在、国内で使われている救急車の多くは、大手メーカーが約15年前に設計した車両だという。大手メーカーの寡占状態が続き、量産ラインができているため、レイアウトを大きく変更したり、新たな技術を取り入れる必要がなかった。また、実際に救急車を利用する現場も、現行のモデルしか知らず、海外などの事例を知る人以外は「不満すら持っていない」という。
そんな環境の中、飯野氏は現場に出向き、潜在化している課題や要望のヒアリングを続けたと話す。その中で要望として出てきたのが「電動ストレッチャー」の搭載だ。
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