人気ステーキチェーンを超えた!? ハンバーグ専門店の「挽肉と米」と「極味や」に行列ができるワケ:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/6 ページ)
「ハンバーグ専門店」に注目が集まっている。「挽肉と米」と「極味や」が新しい食べ方を提案し、行列ができている。ステーキブームが落ち着く一方で、なぜハンバーグが支持されるのか。
コストパフォーマンスのよさを感じさせる
挽肉と米と極味やは、1食で1300〜1400円前後のハンバーグ定食を主力としている。決して安い店ではない。しかし、ハンバーグにはジューシーな肉感があり、お値段以上の価値(コストパフォーマンスのよさ)を感じる。そして、両店ともご飯のおかわりが自由だ。ご飯が進むような、和風のテイストもポイントである。
さらに、両店ともカウンターで食事を楽しめるので、1人でも入りやすい。長い時間、集団でおしゃべりしながら(飛沫を飛ばしながら)飲食をするタイプの店でないのも、コロナ禍には向いていた。
なぜ、今、ステーキに押されていたハンバーグが、劇的な逆襲に成功しているのだろうか。
緊急事態宣言の影響で正式オープンが遅れる
挽肉と米は、緊急事態宣言が解除された直後の6月1日にオープンした。場所は、東京・吉祥寺にある東急百貨店の裏手(「東急裏」と呼ばれるエリア)で、流行に敏感な人や店が集まるゾーンだ。
4月にオープンする予定だったが、緊急事態宣言を受けて延期。しかし、“エアオープン”と称して弁当を販売した。また、TwitterなどのSNSで、実際のオープンまで毎日情報発信を続けていたのも、爆発的人気につながった。ハンバーグの味に魅了された人たちが、オープン前から顧客として付いていた。
吉祥寺では、東京・三鷹でブレークした「ステーキ屋 松」の2号店が3月12日にオープン。さらに、満を持して6月17日には「やっぱりステーキ」の東京初進出店がオープン。もともと営業していた「いきなり! ステーキ」と3巴の格安ステーキ決戦を繰り広げているとマスコミで騒がれていた。ステーキ屋 松とやっぱりステーキは、溶岩プレートの上にミスジ肉をのせて提供していた。1000円程度から定食を出しているだけでなく、サラダバーも付いていたことから、近似した業態であることも話題になった。
しかし、地元の吉祥寺では、SNSを通して、挽肉と米の出現が2020年最大のトピックだという空気感が形成されていた。
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