驚異の在宅勤務率95% コールセンターを“丸ごと在宅化”、チューリッヒ保険が移行できた理由:アフターコロナ 仕事はこう変わる(2/3 ページ)
チューリッヒは、緊急事態宣言時にコールセンターを含む全部門を在宅勤務に移行。95%の在宅勤務率を達成した。その背景には2010年代初頭から進めた取り組みがあった。
在宅勤務を模した環境で事前研修を実施
カスタマーケアセンターの在宅勤務化にあたり、力を入れたのが事前研修だったという。「ケアセンターのほとんどの従業員がパートタイムの方々。『自宅で仕事ができるのか』という不安を払拭してもらうため、事前研修を実施しました」と話すのは、ダイレクト事業本部 カスタマーケアセンター大阪オフィスセンター長の内田憲幸氏だ。
チューリッヒでは緊急事態宣言が出される2月から、在宅勤務への移行を想定し、コールセンター業務に従事する従業員などを中心に約700人のスタッフを対象に研修を行ってきた。
「会議室に在宅勤務に近い環境を設置し、機材のセットアップの方法や、別の部屋にいる人とチャットでコミュニケーションを取る方法などをレクチャーしました。従業員の状況やレベルにあわせた形で研修を行いました」(内田氏)
また、ノートPCやスマートフォン、ヘッドセットなどを希望者へ貸与。モニター、机、椅子などの購入についても一律で金銭補助を行い、自宅でより快適に勤務できるよう整備を進めた。
在宅勤務移行後は、業務上の課題解決やメンタルケアの観点から、グループをまとめるスーパーバイザーとスタッフのコミュニケーションを多くとるように心掛けているという。グループごとにチャットや通話で定期的なミーティングを行っている。
「個人的には、顔を見て話せるビデオ会議システムが良いと思ったのですが、従業員の中にはお子さんがいる方も多い。それぞれの家庭の都合があるため、従業員からの要望でチャットや通話での会議を採用しました」(内田氏)
関連記事
- 「”会う”意味を更新したい」 リコー、”はたらく”を研究する施設開設 その意義は
人々にとって”はたらく歓び”とは何か――。リコーが”はたらく歓び”を考える施設を開設した。社内外の起業家やクリエイターに向けた次世代ワークプレースと定義づけるこの施設。単なるコワーキングスペースではない。リコーはここで何を見いだしたいのだろうか。 - タリーズコーヒーの福袋 12月1日に予約開始 スタバやドトールは?
2020年もあとわずか。福袋の販売や予約が始まりつつある。21年福袋の販売は密を避けるため、抽選エントリーを早めたり、年内から販売を開始したりと例年とは異なる方法で販売を行っていくようだ。大手カフェチェーン各社も、福袋の予約を始めている。 - 作業服を扱わないワークマン 「#ワークマン女子」が目指すものとは
ワークマンが新たに展開する「#ワークマン女子」が開店前から注目を集めている。ワークマン初の女性をメインターゲットにした店舗だが、従来の店舗と何が違うのだろうか。実際に行ってみた。 - ミズノ、水着素材を使った冬用マスク発売 「吸湿」と「発熱」を実現
ミズノは、水着素材を使った冬向けの「ブレスサーモマウスカバー」を発売すると発表した。裏地には水分を吸収して発熱する独自素材採用した。12月15日ごろから全国のミズノ商品取扱店で販売する。 - くら寿司、「スマートくらレストラン」オープン 入店から退店まで非対面で利用できる仕組みとは
回転ずしチェーン「くら寿司」を運営するくら寿司は11月17日、入店から退店まで店員と対面せずに利用できる新店舗「くら寿司 東村山店」を開店した。くら寿司は、東村山店を、今後の標準店舗となる「スマートくらレストラン」の1号店としている。どのような設備が標準されているのだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.