“大復活”したコメダ、実力派なのに苦戦するドトール 喫茶チェーンで明暗が分かれた理由:長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/6 ページ)
コロナ禍で大きな影響を受けた喫茶チェーン。コメダ珈琲店はヒット商品にも恵まれて急回復した。一方で、ドトールは苦戦が続いている。
サンマルクの動向は?
都心部に店舗が多い印象があるサンマルクホールディングスの、1月〜10月における既存店売上高(前年同月比)の推移はどうだろうか。1月:100.0%、2月:99.4%、3月:66.0%、4月:14.3%、5月:17.5%、6月:62.0%、7月:69.8%、8月:67.9%、9月:76.7%、10月:88.0%となっている。
サンマルクも、1、2月は平常で、3月から影響が出始めた。そして、4月はなんと9割に迫る売上減となり、その後はV字回復の途中といった感じだ。緊急事態の頃は、最大で全店の95%を閉めていたので多大な影響が出た。
しかし、既に9割近くまで戻しているので、前年並みにまで回復するのも、不可能ではなさそうだ。
同社の展開する業態は、都心部や駅前に強い主力の「サンマルクカフェ」が388店。郊外型が多い「ベーカリーレストラン サンマルク」が59店などとなっており、他にも「バケット」のようなショッピングセンターを中心にチェーン化された業態もある。
都心部立地の比重が高いものの、郊外に強いブランドも持っている。そのため、コメダほど好調ではないが、ドトールほど回復が遅れているわけでもない。つまり、中間的な状態になっている。
サンマルクカフェでも、売り上げ回復のため、新商品投入に注力している。例えば、名物パンの「チョコクロ」より高価な「プレミアムチョコクロ」シリーズを販売し始めた。11月初旬には「プレミアムバナナアーモンドチョコクロ」を発売。さらに、クリスマスに向けてメロンパンタイプの「プレミアムメロンパンホワイトチョコクロ」を投入し、好評を博している。
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