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“大復活”したコメダ、実力派なのに苦戦するドトール 喫茶チェーンで明暗が分かれた理由:長浜淳之介のトレンドアンテナ(6/6 ページ)
コロナ禍で大きな影響を受けた喫茶チェーン。コメダ珈琲店はヒット商品にも恵まれて急回復した。一方で、ドトールは苦戦が続いている。
リスクヘッジが大切
このように、喫茶業界では売り上げを上げるために、各社が新商品を強化しているものの、郊外型が「明」、都心型が「暗」という状況だ。
上場しておらず、業界首位で約1500店を展開するスターバックスコーヒージャパンの実態は不明だ。都心部や駅前の立地が中心ながら、近年は郊外型でドライブスルーに対応した店も増えているので、対前年比ではサンマルクに近いのではないだろうか。
ところで、ドトールの属するドトール・日レスグループでは、「星乃珈琲店」という264店(20年8月末時点)ある郊外型喫茶をチェーン展開しており、ちゃんとリスク回避のポートフォリオを組んでいる。郊外型喫茶としてはコメダに次ぐ2位の会社である。
また、サンマルクグループも「倉式珈琲店」という郊外型喫茶を展開していて、これが郊外型喫茶4位の64店となっている。
コロナ禍に襲われても、ドトール・日レスやサンマルクはこうした変化への耐性が強い会社なのである。
著者プロフィール
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)など。
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