なぜ石川県の加賀温泉郷に人が集まるのか 「ファンづくり」の裏側:モーニング娘。を起用(4/6 ページ)
新型コロナの感染拡大を受けて、多くの観光地が苦しんでいる。Go To トラベルによって人出が戻りつつある中、週末には多くの観光客でにぎわっているところがある。石川県の加賀温泉郷だ。なぜこの温泉地に人が集まっているのかというと……。
旅館や飲食店が協力的に
加賀さんを観光大使として起用して以来、旅館だけでなく付近の飲食店もどんどん協力的になっていった。これまで温泉郷のプロモーションが恩恵を受けるのは主に旅館だったが、温泉郷の街歩きを誘発すべく、20年1月から加賀温泉郷の飲食店50店が参加した企画『加賀温泉郷ナイトバル』が始まった。これは2枚2000円のチケットを購入することで、各店でお得なオリジナルメニューが味わえるというもの。
「責任感が強いのか、とにかくたくさんお金を使いたいというファンの方が多い。加賀温泉郷の間でも、モーニング娘。ファンの人は本当にみなさん礼儀正しくてお金を使う方が多いということが浸透しています。いろんなことを面白がってくれるお店の方が多いので、じゃあこんな商品があればもっとファンの方は喜んでくれるんじゃないかと新商品を開発するお店もあります」
コロナ禍で「温泉郷にお客さんを呼ぶ」ことが難しくなるタイミングがあっても対応していけるよう、加賀温泉郷のECサイト「かいねや加賀」を立ち上げ、こちらにも加賀さんがイメージキャラクターとして就任した。加賀温泉郷の名産品はもちろんのこと「楓」をモチーフとしたマスクや、前述の「赤」を使用したグッズなど、さまざまなものが売られている。女性アイドルのファンと聞くと男性を連想するかもしれないが、購入者の約8割は女性だという。
11月14〜15日には加賀温泉駅開業50周年を記念して、加賀温泉駅50周年フェスタが開催された。その際にも限定で「カエデの葉をあしらい、メープル(楓)シロップでいただくプリン」など、各店が率先して開発したさまざまな商品販売なども行われた。
この日は加賀さんも加賀温泉駅1日駅長として加賀の地を訪れ、グッチ裕三さんとのトークイベントや現地の小学生との出発式に臨んだ。
関連記事
- 「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
渋谷駅から徒歩5分ほどのところに、ちょっと変わったカプセルホテルが誕生した。その名は「The Millennials Shibuya」。カプセルホテルといえば安全性などを理由に、男女別フロアを設けるところが多いが、ここは違う。あえて「男女混合フロア」を取り入れているのだ。その狙いは……。 - スーツに見える作業着は、なぜ3倍ペースで売れているのか
スーツに見える作業着をご存じだろうか。2018年、水道工事を行っている会社が発売したところ、売れに売れているのだ。多くのアパレルが苦戦している中、なぜこの商品はヒットしているのか。グループ会社の社長に話を聞いたところ……。 - 売上5倍! 経営難に陥っていたキャンプ場を、どうやって再生させたのか
キャンプ場が盛り上がっている。現在は「第二次ブーム」でたくさんのお客が詰めかけているが、その一方で経営が苦しいところも少なくない。そんな中で、赤字に陥っていたキャンプ場を再生した会社がある。どうやって再生させたのか、会社の専務取締役に話を聞いたところ……。 - 登山家・栗城史多さんを「無謀な死」に追い込んだ、取り巻きの罪
登山家の栗城史多さんがエベレスト登頂に挑戦したものの、下山中に死亡した。「ニートのアルピニスト」として売り出し、多くの若者から支持を集めていたが、登山家としての“実力”はどうだったのか。無謀な死に追い込まれた背景を検証すると……。 - レゴランドってそんなにひどいの? 家族を連れて行ってみた
「隣接する商業施設からテナントが撤退」「水筒の持ち込み禁止」などのニュースで注目を浴びているレゴランド。ネット上では酷評する声もあるが、実際はどうなのだろうか。記者が家族を連れて遊びに行ってみた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.