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マツダMX-30で1800キロ走って見えたもの池田直渡「週刊モータージャーナル」(2/8 ページ)

そもそもMX-30に与えられた使命は、電動化の牽引役だ。年明けにはいよいよ国内でもEVが出る。これは以前プロトタイプに乗ったが、スーパーハンドリングマシーンと呼べる出来になるはずである。次の時代に向けた実験的取り組みは、全てこのMX-30がテストベッドになる。そのクルマの基礎素養がこれだけ好もしいものであったことで、期待は高まろうというものだ。

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 さて、マツダは第6世代からコモンアーキテクチャーによるクルマ作りを進めてきた。商品群全体を串刺しにする基礎技術と、車種ごとの個性を創出する技術に分けて、それぞれを「固定と変動」と定義した。


マツダ第6世代モデルは、「魂動デザイン」と「コモンアーキテクチャー」を両輪として一括企画された

 コンピュータでいえば、OSとアプリケーションのようなもので、まず人と金をOS部分に結集して、商品群全体の基礎能力を持ち上げ、そこに各車ごとの個性化技術を投入し、コストダウン、信頼性向上、走行性能、品質の全てを引き上げるという大胆な構想だった。

 その中にはデザインも含まれており、現状グローバルで年間150万台規模程度しかないマツダが、マーケットで埋没しないように、デザインについてもコモンアーキテクチャーを推進して、モチーフを共通化したのだ。

 デザインについては「どれもこれも同じじゃないか?」という批判はあるが、それ以前に、車種毎に別々のモチーフを用意して、リソース不足の中で、疲弊しながら完成度の低いデザインを送り出すよりも、エースデザイナーが全体に共通するモチーフを明確に定義して、オールマツダの商品群として、マーケットで存在感を打ち出そうとした。

 自ら弱者であることを認識した上で、マツダの実力に見合った戦略を打ち出すことを最優先した。それが「魂動デザイン」である。

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