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ミシュランの星を獲得したタイの「屋台めし」 70代女性シェフが究極の「顧客体験」を提供できている理由:食の流行をたどる(1/5 ページ)
タイのストリートフード(屋台めし)がミシュランの星を獲得した。筆者は2019年、店舗を実際に訪れたことがある。感動のあまり涙を流してしまった「カスタマーエクスペリエンス」とは。
食の流行をたどる:
「レモンサワー」「一人焼き肉」「ギョーザ」「パンケーキ」「かき氷」――毎年のように新たなブームが生まれる。これらのブームの背景を、消費者のライフスタイルの変化や業界構造の変化も含め、複合的に分析していく。
人々の胃袋を支える食の市場は、大きく分けて、内食、中食、外食の3つがある。近年、中食の成長は外食のそれを上回っており、外食は独自の価値を提供する必要に迫られていた。
そして、コロナ禍の影響で外食産業は大打撃を受けた。結果、多くの飲食店ではテークアウトやデリバリーへの対応を迫られた。飲食店の競合は同業者ではなくなった。
そういった中、外食のトレンドや文化を研究して発表している筆者も、改めて「外食の価値とは?」と考えるようになった。
そんな時思い出したのは、2019年6月に訪れたタイ・バンコクの「JAY FAI RESTAURANT」(以下、ジェイ・ファイ)だ。ストリートフードで唯一ミシュランの星を獲得したレストランである。このお店こそ、正真正銘の「わざわざ行きたいレストラン」である。
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