空いてる「月極駐車場」を探す“面倒”を解決! 新サービスが注目されている理由:問い合わせ急増(2/3 ページ)
空いている月極駐車場を探して契約するのは意外に大変。その手間を省くサービスが伸びている。どのような経緯で生まれたのか。
成長の壁にぶつかった
しかし、登録台数が伸び悩むようになった。“仲介のサービスだけ”では、管理会社やオーナーが魅力を感じないのが原因とみられた。増田社長は「管理会社の悩みを解決すれば、駐車場の情報も集まるのではないか」と考えた。
ちょうどその時、駐車場事業を手掛ける企業から「駐車場の管理をもっと効率的にしたい」という相談が持ち掛けられた。それほどもうかるビジネスではないので、人員を割けない悩みを抱えていたという。そこで、開発したのが月極パートナーシステムだ。18年にプロトタイプを一部企業に公開し、20年3月に正式リリースした。
同システムを利用すると、アットパーキングに駐車場の情報が掲載される。駐車場を管理する企業にとっては、集客支援、管理業務削減、収益向上といった効果が期待できる。一方、ユーザーにとっては、オンライン上で申し込み、審査、契約手続き、決済まで最大30分で完了できるメリットがあるという。さらに、同システムに登録している駐車場は、アットパーキングで空きがあるかどうかがリアルタイムで反映されるようになる。サービスの開発には、同社のさまざまなノウハウを活用したという。
一般的に、月極駐車場を契約しようとした場合、いくつかの方法がある。例えば、駐車場の看板に記載されている管理会社に問い合わせをして、空きがある場合には店舗を訪れて必要書類を提出したり、オーナーの審査を受けたりする。また、サイトに掲載されている駐車場の情報を見て、メールで空きがあるかどうかを問合せをして、必要書類を郵送する方法もある。
同システムの導入社数は80を超えた。約5万2000台分の駐車場の情報が登録されているという(20年12月15日時点)。そして、コロナ禍の影響で、店舗を直接訪れることに抵抗感を抱くユーザーが増えた。また、紙の書類をやりとりすることが面倒だと考える風潮も強まっている。現在、システムに関する問い合わせが増えているのには、こういった背景もある。
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