ワークマンやカインズを育てた群馬発「ベイシアグループ」の正体:長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/6 ページ)
高成長を続けて注目されるワークマンやカインズ。これらの企業は「ベイシアグループ」に属する。1958年、群馬県に誕生した「いせや」はなぜここまで成長したのか。
群馬県を拠点とし、全国チェーンのワークマンやカインズを擁するベイシアグループが、2020年10月に総売上1兆円を達成した。1958年12月、群馬県伊勢崎市に「いせや」を設立して以来、60余年をかけての到達である。
ベイシアグループの特徴は、特定の分野に秀でた専門店チェーンの集合体だということ。“覇権”を握ろうとする企業が選択しがちなM&Aに一切頼らず、プライベートブランド(PB)を中心とした商品力と業態の強さで、1兆円にまで登り詰めた。
他では買えないユニークな商品と、洗練された売場づくりで、熱心なファンとリピート客を持つ3社がグループの中核だ。北関東を代表するスーパーマーケットのベイシア(年商2887億円・20年2月期)、作業服最大手のワークマン(年商923億円・20年3月期)、ホームセンター最大手のカインズ(年商4410億円・20年2月期)は、こういった共通する特徴を備え、各自が独立独歩の研さんを重ねて大企業へと発展してきた。
もともと、いせやは百貨店と総合スーパー(GMS)の中間的な存在だった。“地方の百貨店”のような業態で、当時のニーズにマッチした繁盛店であっても、際立って特徴のある店とは言い難かった。
凡庸だったベイシアグループが、ベイシア、ワークマン、カインズといった個性豊かなグループの3本柱を育てた。そして、カー用品のオートアールズ、家電量販のベイシア電器、仏壇・仏具の清閑堂など、全国に店舗網を広げ、28社で構成される強靭な流通グループに発展した。その秘訣はどこにあるのだろうか。
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