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ワークマンやカインズを育てた群馬発「ベイシアグループ」の正体:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/6 ページ)
高成長を続けて注目されるワークマンやカインズ。これらの企業は「ベイシアグループ」に属する。1958年、群馬県に誕生した「いせや」はなぜここまで成長したのか。
ワークマンの躍進
ベイシアグループ各社は独立独歩の体質が強いが、元は同じなので、共通する特徴もある。特筆すべきは、PB商品にこだわっているので、製造小売業を強く指向している点だ。
また、近年は新業態が当たって大きな成果を上げている。
特に、その傾向はワークマンで際立っており、販売比率で54%の商品がPBとなっている。ワークマンは作業着として開発した商品の保温・防水などの機能性が、釣り、バイク乗り、ランニング、登山にも役立つとユーザーの口コミで知られるようになった。価格もリーズナブルなため、アウトドアの用途が急増している。
また、若い労働力を確保するため、建設などの現場で服装規約が緩和されている。作業服のファッション化が進んでいることに対応した商品群を、タウンウェアとして一般の人が着るようになってきた。
そこで、一般ユーザーでも着られる商品をピックアップして、18年に「ワークマンプラス」という新業態を開発したところ、大当たり。既に885店中222店が「ワークマンプラス」となっている(20年9月末現在)。さらに、20年10月には女性客主体の新業態「#ワークマン女子」1号店を横浜市内に出店した。
21年3月期に入ってからのワークマンの既存店売上高は、全ての月で前年同月を上回っている。4〜11月度の累計で117.7%と絶好調だ。今や“ポストユニクロ”の一番手として期待されるようになった。
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