コロナ禍でも絶好調の「焼肉きんぐ」 強さを支える「カルビ」と「包み込み戦略」とは:飲食店を科学する(2/5 ページ)
コロナ禍で飲食店が苦戦している。一方、「焼肉きんぐ」の既存店売上高は前年対比123.3%と好調。強さの秘密を分析した結果は?
実際に焼肉きんぐを訪問
今回は強さの秘密を探るべく、実際に筆者が神奈川県内のロードサイドにある焼肉きんぐの店舗を訪問しました。
雨が降っていたため、すんなり入店できると思っていました。しかし、お店に到着すると既に5組ものウェイティングのお客さまがいらっしゃいました。
30分ほど待ってようやく入店できました。焼肉きんぐの食べ放題メニューは大きく3つに分かれます。
<焼肉きんぐの食べ放題プラン>
A:プレミアムコース3980円(税別、以下同)……約114品(エリアによって異なる)
B:きんぐコース2980円……約107品(同)
C:58品コース 2680円……58品
Aの「プレミアムコース」とBの「きんぐコース」の大きな違いは、「国産牛」と「特選」の有無。Cの「58品コース」のメニュー数は他メニューと比べて半分程度になっています。その分、2680円というリーズナブルな価格です。
ここで焼肉きんぐのメニュー構成を分析していきましょう。
高単価のプレミアムコースには、国産牛や特選といったメニューがあり、「A:少しぜいたくなお肉を食べたい層」に対応しています。
中単価コースであるきんぐコースは、国産牛や特選が無い点を除けば、プレミアムコースとほぼ同じ内容です。さらにメニューカテゴリー別の構成比を分析してみましょう。焼肉きんぐが支持される理由の一つに、「カルビメニューの多さ」が挙げられます。カルビはどの焼肉店においても出数上位の人気カテゴリーです。
少々話は逸れますが、カルビと値段の関係について解説します。一般消費者が焼肉店を訪問した際、最初に確認するのは「カルビの値段」。カルビの値段でそのお店の予算感を察するのです。
関連記事
- レゴランドってそんなにひどいの? 家族を連れて行ってみた
「隣接する商業施設からテナントが撤退」「水筒の持ち込み禁止」などのニュースで注目を浴びているレゴランド。ネット上では酷評する声もあるが、実際はどうなのだろうか。記者が家族を連れて遊びに行ってみた。 - スシローとくら寿司 「価格帯」と「シャリ」から見えた戦略の“決定的”な違いとは
大手回転寿司チェーンのスシローとくら寿司。標準的な寿司の重さはほぼ一緒。しかし、価格とシャリの違いから戦略の違いが見えてきた。 - 「かつや」のシェアは60%も!? コロナ禍に負けず、とんかつ・かつ丼市場で圧倒的強さを誇る秘密とは
コロナ禍で多くの外食企業が苦戦している。一方で「かつや」は大健闘しており、筆者の試算ではとんかつ・かつ丼市場におけるシェアが6割近くにもなるという。その強さの秘密とは? - 松屋の魅力は券売機!? 人手不足時代に吉野家とすき家が導入しない理由とは
大手牛丼チェーン3社のうち券売機を導入しているのは松屋だけだ。生産性向上の切り札である券売機を吉野家とすき家は導入していない。各社に見解を聞いてみた。 - 「どさん子ラーメン」は今…… 急成長から衰退までの経緯と復活のシナリオに迫る
札幌みそラーメンの“伝道師”として急成長した「どさん子ラーメン」。かつては1000店以上を展開していたが、マネされるのも早かった。“衰退”したと思われている一方で、復活に向けた動きもある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.