コラム
会計クイズ ゲームメーカーの任天堂はどちらでしょう?:図解で分かる貸借対照表の読み方(6/6 ページ)
分かりにくいと思われがちな財務諸表。この記事では、会計初学者をターゲットにした貸借対照表の基礎についての解説をした上で、「会計クイズ」を出します。押さえるところを押さえれば、貸借対照表は決して難しいものではありません。
一方、三越伊勢丹HDは、任天堂と異なり非常に固定資産の割合が多くなっています。これはどういうことなのでしょうか?
その理由として、三越伊勢丹HDは一等地に土地を多く保有していることが挙げられます。銀座や日本橋といった、日本の中でも特に地価の高い土地が貸借対照表の資産に計上されていることから、固定資産の割合が非常に大きくなります。
以上、問題の簡単な解答解説でした。「メーカーだから固定資産が多そう」や「小売業だから流動資産が多そう」というような考え方ではなく、それぞれの企業がどのようなビジネスを展開しているか? をイメージしながら考えていくことで、自分の中に知識のストックがたまっていくので、ぜひ意識してみてください。
貸借対照表は難しく思われがちですが、図解化し必要な部分のみを見るだけでも十分企業の大枠を理解することができます。最初から決算書を読める人は1人もいないので、少しでも決算書に触れる機会を増やし、慣れることが大切です。この記事を通して決算書を読む面白さが伝わりますと幸いです。
後編では、企業の経営成績を報告する損益計算書を解説し、同じようにクイズを掲載します。
著者 大手町のランダムウォーカー
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