JR東と西武HDが年の瀬に打ち出した“壮大すぎる”プロジェクトの中身:ワーケーション推進や沿線活性化(3/4 ページ)
JR東日本と西武ホールディングスは、12月23日に包括的な連携を行うと発表した。コンセプトは「新たなライフスタイルの創造×地方創生」。どういった中身なのか。
ワーケーションを発展させるために
「ワーケーションを普及させるには、新たな付加価値を提案し、企業の理解を深める必要がある」と考えた両社は、3つの施策を行う。
1つ目は、「企業への生産性向上、健康経営のサポート」として、企業向けのワーケーション(研修プラン、会場は軽井沢プリンスホテル)を用意。チームビルディング(仲間が思いを1つにして、1つのゴールに向かって進んでいける組織づくり)とコミュニケーションを活性化させることで、ウェルビーイングにつなげてゆく。
2つ目は、「時間や場所にとらわれない働き方を応援」すること。21年1月5日から、首都圏や軽井沢のプリンスホテル6館で、「STATION WORK」の会員を対象としたテレワークプランを提供する。STATION WORKは、JR東日本が駅やホテルメッツなどで展開するシェアオフィスだ。
特に個室型ワークスペース「STATION BOOTH」は、3密を避けつつ、ゆったりとしたテレワークができる拠点として整備が進められており、1人用と2人用の2種類を用意している。前者は15分当たり250円(税別、以下同)、後者は15分当たり300円で提供する。
今後は西武鉄道の沿線駅にもSTATION BOOTHの導入を検討しているという。JR東日本と同じ設備を導入することで、顧客(会員登録)の増加、ビジネス面における利便性の向上が期待できる。
3つ目は「多様な提案」。北陸新幹線のグランクラス(グリーン車を超える新幹線最高峰の座席)とザ・プリンス ヴィラ軽井沢のテラスタイプ、東北新幹線のグランクラスと雫石プリンスホテルのデラックスツインによる岩木山ビューなどを組み合わせたラグジュアリー志向の旅行プランなどの発売も予定している。富裕層向けのワーケーションといえよう。
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