2015年7月27日以前の記事
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テスラに続くのは、果たしてどのEVベンチャーか?完成車メーカーとして確立したテスラ(6/6 ページ)

クルマの電動化が加速している。既存メーカーのハイブリッドやEVへの転向はもちろん、テスラを始めとするEVベンチャーも多数立ち上がっている。ここでは、イーロン・マスクが採ったテスラの成長戦略を思い起こしつつ、数あるEVベンチャーの現状と今後の可能性を見ていく。

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中国の新興EVメーカーの進出と、EVベンチャーの今後

 そんな北米と比べると中国の新興EVメーカーは、いささか状況が異なる。すでに販売を開始している企業が多い上、SUVを中心にミドル〜アッパーミドルクラスのボディを有しているブランドが主流だからだ。

 ボディサイズは中国市場での需要を考えれば当然のことだが、SUVは世界的に好評なため今後は積極的に輸出するところも増えてくるだろう。EVが主流となると、中国の新興メーカーのブランド力も急速に高まる可能性がある。モーターやインバーター、バッテリーのマネジメントシステムなどの早急な改善が予想できるからだ。

 ただし純エンジン車の販売禁止規制が始まると、これまでハイブリッド車やEVには不向きだった地域にもバッテリーを多く搭載するクルマが増える。そのため信頼性や安全性に問題があればたちまちリコールとなるから、数あるブランドも自然と淘汰されていくだろう。

 そのような信頼性や安全性が重要視される状況下では、品質の高い日本のバッテリーが再び注目を集める可能性がある。確かにパナソニックは、テスラへの投資に思い切ることができず、結果として他のバッテリーメーカーの参入を許してしまったが、品質面で一級品であることは間違いない。

 東芝のチタン酸リチウム二次電池「SCiB」も、耐久性に加え、瞬発力や急速充電に優れている。こうした日本ならではの高品質なバッテリーは、EVやプラグインハイブリッドが多くなると、各メーカー差別化アイテムとして活用されることになるかもしれない。

 これから先、EVやハイブリッド車を購入するユーザーは、車体の衝突安全性や電動車としての信頼性を重視する保守的なユーザーと、刺激を求める新しモノ好きのユーザーに、需要が二極化していくことになるのではないだろうか。

 それにクルマの価値は決して、性能やコスパだけでは決まらない。空間の心地良さ、予想を超える使い方の提案と、EVや自動運転技術の成熟により、クルマに新たな可能性を付加できる要素も生まれる。

 日本では超小型モビリティの法整備が整い、衝突安全基準も軽自動車より簡素化された結果、これまでよりEVベンチャーを立ち上げやすい環境になってきた。高齢ドライバー向けやスポーツカーなど、さまざま需要に合わせてデザインされた超小型モビリティの登場も、現実になりつつある。

 今まで以上にワクワクするクルマを提案する、そんな自動車ブランドの登場も期待できそうだ。


先頃、ついに発売されたトヨタ「C+pod(シーポッド)」。新規格の超小型モビリティに属する2シーターのEVで、全長2.5メートル×全幅1.3メートルのコンパクトなボディと最小回転半径3.9メートルという取り回しの良さは、道路の狭い住宅街で運転する高齢者に喜ばれそうだ。まずは法人や自治体向けに販売し、個人ユーザー向けには22年より販売開始予定
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