「ノックは2回」 謎マナーは本当に必要なのか:就活には黒スーツ(1/3 ページ)
年も明け本格化する新卒就活。就活には黒スーツ、ノックは3回といった「作法」を知らなければマトモな社会人には成れない! とばかりにマナー講座、「社会人の常識」講座などで言われるのですが、ホントなのでしょうか。
著者プロフィール:増沢隆太(ますざわ・りゅうた)
株式会社RMロンドンパートナーズ代表取締役。キャリアとコミュニケーションの専門家として、芸能人や政治家の謝罪会見などをコミュニケーションや危機管理の視点で、テレビ、ラジオ、新聞等において解説している。大学や企業でのキャリア開発やコミュニケーション講座を全国で展開中。著書「謝罪の作法」他多数。
年間延べ300人を優に超える学生の進路相談・就活相談を毎年受けています。就活相談ではマナーに関するものもあります。特に私が対象とする理系学生は、文系に比べて就活にかけられる時間も限られており、就活知識を不十分と感じている学生が少なくないのでしょう。
「ノックは3回がビジネスの常識。2回ノックはトイレだから絶対ダメ」と学外のマナー講座やネット、先輩が言っているということで、面接練習でうっかりノックを2回してしまい、「す、す、すみません、もう一度やり直して良いでしょうか」と大慌てする学生もいます。しかしこれって、そんなに大事なことなのでしょうか?
多くの企業がオンライン面接となる中、一部の企業や公務員ではいまだにリアル面接が行われているのです。私は相談学生に、「本番の面接はもっと緊張すると思うけど、そんな時もノックの回数間違えたから『もう一回やり直させて』って言うの?」と尋ねます。私が指導しているのは面接テクニックではなく、社会人として上位校学生に期待される思考の訓練なのです。
私は人事コンサルタントとして企業の採用支援や人事政策への提言をしつつ、大学教員として新卒大学生・大学院生のキャリア指導をして15年になります。東北大、東工大をはじめ、いわゆる上位校と呼ばれる高偏差値大学・大学院の、特に理系学生の就職指導でそれなりの実績を上げてきたと自負しています。
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