「田村淳」も採用 “社内SNS”のノウハウ生かしてファンサロン運営に進出したIT企業の商機:コミュニケーション促進(3/3 ページ)
コロナ禍でビジネスチャットに注目が集まる。名古屋発のIT企業「スタメン」は組織と従業員のつながりを強化する経営プラットフォーム「TUNAG」を展開。ノウハウを生かしてファンサロン運営に進出した。
ファンサロン運営に進出した理由
TUNAGの開発・提供で成長してきた同社は、20年7月にオンラインファンサロンの運営に必要となるシステムやプラットフォームをワンストップで提供するFANTSの展開を本格的にスタート。ファン同士の交流を促進させるために、TUNAGと同様に専任担当者がオンラインサロン運営をサポートする。オンラインコミュニティーをリリースするまでの時間の短さや、「炎上」などのリスクを回避する体制などが特徴だとしている。ファン投票やアイデア募集ができる機能なども備える。
FANTSが生まれたきっかけは、あるプロバスケットボールチームから、ファンや運営サイドが双方向で交流できるような仕組みができないかと相談されたことだった。
通常のファンクラブでは、会費を支払うと「入場券を安く購入できる」「会報を受け取れる」「優先的に試合の座席を確保できる」といったメリットが得られる。しかし、ファンと運営サイドの交流をさらに促進したいと同チームは考えていた。ファンの声を運営に反映したり、運営側のリアルな姿をファンに伝えたりすることで、もっと愛されるクラブにするのが狙いだ。
FANTS事業責任者で取締役の森山裕平氏は、著名人らが運営しているオンラインのサロンの中には、主催者の一方的な情報伝達が主になっているところもあり、「SNS」的な要素が弱い傾向にあると考えた。そして、ファンと主催者の双方向性やサロンの居心地の良さを向上させるサービスに商機を見いだしたという。
FANTSの運営にあたっては、TUNGで構築した経営層と従業員の交流を促進するノウハウも生かしている。FANTSの導入企業数は非開示だが、お笑いコンビ「ロンドンブーツ1号2号」の田村淳氏が運営する「田村淳の大人の小学校」に同システムが採用されるなど、実績を重ねている。新サービスをどこまで伸ばしていけるか。
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