このままでは第2の「珪藻土・アスベスト」事件が起きる ニトリやカインズは真相を解明できるか:長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/6 ページ)
2020年末、珪藻土バスマットなどにアスベスト(石綿)が混入していたとして大騒動になった。はたして、真相は解明されるのか。結局は、“うやむや”にされてしまう可能性もある。
2020年末、珪藻土バスマットなどにアスベスト(石綿)が混入していた問題が突如として沸き起こった。混入が発覚したのは、家具最大手ニトリホールディングス(HD)やホームセンター最大手カインズの製品。いずれも中国で製造されていたことが明らかになったが、その原因については両社とも調査中としている。
中国ではアスベストの使用が禁じられておらず、日本の法律を知らない(または軽視した)事業者が、“普通に”使ってしまった可能性が高い。ニトリ、カインズでは対象商品の自主回収を実施。フリーダイヤルの問い合わせ用窓口を設けて誠実に対処している。
厚生労働省は「よほどの破損が進んだ状態でなければ、固体ではアスベストが飛散する恐れはなく、健康被害は考えられない」と、あくまで法律上の基準を超えたアスベストが使用されていたことを問題にしている。
大阪府貝塚市におけるふるさと納税の返礼品にアスベストが混入していた件についても、20年11月27日に対象品を回収し、製造者の堀木工所(大阪府貝塚市)から代替品を送付する旨が発表されている。
12月末には、ヤマダホールディングス(HD)やイズミなどの店舗で取り扱っていた珪藻土バスマットに関して、新たにアスベストが混入していることが分かり、両社が自主回収をしている。これらは不二貿易(福岡県北九州市)が中国から輸入・販売しており、同社も自主回収を行っている。
このように、今回の珪藻土バスマットなどへのアスベスト混入騒動は、重大な健康被害まで発展するリスクはほとんどない。しかし、コロナ禍で海外に渡航しにくい状況でもあり、真相究明には時間がかかる。そして、その作業は困難を極める見込みだ。
関連記事
- レゴランドってそんなにひどいの? 家族を連れて行ってみた
「隣接する商業施設からテナントが撤退」「水筒の持ち込み禁止」などのニュースで注目を浴びているレゴランド。ネット上では酷評する声もあるが、実際はどうなのだろうか。記者が家族を連れて遊びに行ってみた。 - スシローとくら寿司 「価格帯」と「シャリ」から見えた戦略の“決定的”な違いとは
大手回転寿司チェーンのスシローとくら寿司。標準的な寿司の重さはほぼ一緒。しかし、価格とシャリの違いから戦略の違いが見えてきた。 - 新成人が「欲しい車」ランキング 3位はフォルクスワーゲン、2位はBMW、1位は?
ソニー損保が新成人のカーライフ意識調査を実施。普通自動車運転免許の保有率や欲しい車が明らかに。どんな傾向があるのか。 - 家賃が200万円もするのにスタバがもうかる理由
スタバは大都市の一等地に多くの店舗を構えている。1杯数百円のコーヒーを販売しており、店に長居するお客も多い。家賃が200万円以上するような場所でも利益が出せる秘密とは? - スーパーの「アピタ」と「ピアゴ」がどんどん“ドンキ化” 一方で住民から不安の声も
スーパーの「アピタ」と「ピアゴ」が“ドンキ化”している。運営会社は2022年をめどに、約100店舗を業態転換する方針だ。その一方で、生まれ変わる予定のアピタ岐阜店の周辺住民からは不安の声が出ている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.