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このままでは第2の「珪藻土・アスベスト」事件が起きる ニトリやカインズは真相を解明できるか長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/6 ページ)

2020年末、珪藻土バスマットなどにアスベスト(石綿)が混入していたとして大騒動になった。はたして、真相は解明されるのか。結局は、“うやむや”にされてしまう可能性もある。

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日本で製造されなくなった経緯

 珪藻土とアスベストは全く異なった素材であり、通常の状態で混じることはない。従って、通常の珪藻土製品にアスベストは入っていない。

 アスベストは天然に産出する鉱物繊維で、白石綿(クリソタイル)、茶石綿(アモサイト)、青石綿(クロシドライト)など6種類がある。耐火性、断熱性、電気絶縁性が高く、断熱、保温、防音などを目的に、建築や工業用資材として戦後の高度成長期に重用された。また、セメントとの親和性が高く、補強に用いられている。アスベストの用途は3000種類といわれるほど多岐にわたった。


解体現場などでは飛散する可能性がある(画像はイメージ)

 しかし、肺がん、悪性中皮腫などの健康被害をもたらすことから、1970年代半より規制が始まり、段階的に強化された。2006年9月には労働安全衛生法の改正により、アスベストの含有量が重量の0.1%を超える製品の製造・輸入が禁止された。こうして、日本国内ではアスベスト含有成型板は製造されなくなった。

 アスベストは非常に軽く、空中に飛散しやすい性質がある。規制がなかった頃に建てられて老朽化した住宅やビルの解体現場などでは、飛散している可能性がある。アスベストを吸い込むと発生する健康被害は、1日後や1年後といった短期にもたらされるのでなく、長い期間をかけて発症する性質のものだ。

 では、アスベストはなぜ珪藻土バスマットに混入したのか。

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